通俗正教教話/十誡の第三誡命

提供: Wikisource
ナビゲーションに移動 検索に移動
wikisource:宗教 > カテキズム > 通俗正教教話

十誡じっかい第三だいさん誡命かいめい[編集]

<<なんぢしゅなんぢかみみだりくちとなふるなかれ>>

問 神様の御名みなみだりとなへるともうしまするとふことなので御座いますか。

答 神様の御名みなみだりとなへるともうしまするのはなに必要いりえうもないのに神様かみさま々々とかみくちにしあるひ故意わざひといつはために神様のりたりかくすこしも謹慎つつしみこころなく神様のくちにすることを神様のみだりにとなへるともうすので御座います。

問 神様のみだりにとなへまするつみうちにはほか一体いったいつみふくまってるので御座いますか。

答 其内そのうちには第一に神様のむねさからったりまたは神様をはづかしむるやうことふこと、第二には神様をうらむこと、第三には神様をまつときもちいる聖品物せいなるものすこしもうやまはずこれ玩具おもちやにしたりこれけがしたりすること、第四はたううはそらおこなふこと、第五はいつはりちかひつること、第六はちかひてながらそのちかひ実行じつかうしないこと、第七は神様のまへちかった約束やくそくやぶること、第八はつまらぬことにちかひをなすことなどふくまってるので御座います。

問 聖書せいしょうちつまらぬことにちかひててはならぬとふことをいましめた場所ところが御座いますか。

答 御座いますすなは馬太マトフェイ福音書ふくいんしょうちしゅもうされたことばが御座います『われなんぢ一切いっさいちかなかれ、なんぢことば是是しかりしかり否否いないなたるべしこれぐるものあくよりするなり』(馬太五の三十四、三十七

問 それではちかひつるとふことは一切いっさいしてはならぬわるいことで御座いますか。

答 いいえうでは御座いません、おほやけことちかひつることはすこしもわるくないばかりでなくただしいこころもつちかひつるならばなかそのちかひによってあらそひがなくなるので御座いますから大変たいへん利益ためになるので御座います、聖書せいしょうちせい使徒しとパエルもうしてりますには『ひとおのれよりおほひなるものしてちかこと確証くわくしようするちかひかれすべて争論あらそひとどゆえかみ許約きょやくものおのれむねかはらざるをさらあきらかしめさんとほっしてべつちかひてたり』(エウレイ六の十六、十七)してますればおほやけことちかひてることはけっしてわるいことでは御座いませぬ。

十誡じっかい第四だいし誡命かいめい[編集]

<<安息あんそくおぼえてこれ聖潔きよくすべしむいあひだはたらきてなんぢ一切いっさいわざすべしなぬしゅなんぢかみ安息あんそくなればそのにはなん業務わざをもべからず>>

問 なぬ日目かめなんために『しゅかみ安息あんそく』ともうすので御座いますか。

答 それなぬ日目かめしゅかいまったくおつくりになってそのをおやすめになったで御座いますから『しゅ』ととくもうすので御座います、神様はじつむいあひだそのはたらかせになってかいをおつくりになりなぬ日目かめそのわざまったおはってやすみになったので御座います。

問 わたくしども基督クリストス正教せいけうくわいおいてもそれではその安息あんそく矢張やっぱまつるので御座いますか。

答 やうで御座います、しかわたくしどもの教会はむかし旧約きうやく教会けうくわいとはまったちがつたあたらしい新約しんやく教会けうくわいで御座いますからあへむかし教会けうくわい安息あんそくまつったやう意味いみこのまつるのでは御座いませぬ、このわたくしども教会けうくわいまつりまするのはただ神様がかい創造さうざうおんをはりになったことをおくするとともむかしまつり後世迄こうせいまでつたへるためまつりまするので、わたくしども新約しんやく教会けうくわいしんためにはこの安息あんそく今日いまの土曜日)よりももっとたふとしゅふくくわつ(日曜日)がります、このこそわたくしどももっと熱心ねっしん安息あんそくへておほいまつらなければならぬで御座います。

問 それでは基督クリストス新約しんやく教会けうくわいでは十誡じっかいだいかいやうまもるので御座いますか。

答 それさきにももうしましたとほわたくしども教会けうくわいではむかし旧約きうやく教会くわいやうなぬおはりすなはいまえうまつらずなぬはじめすなはいま日曜にちえうまつむかしまつり畢竟つまり一日いちにちおくったので御座います。

問 それでは其様そのやうえうまつるのをめてしゅ復活ふくくわつなさった日曜にちえうまつやうにしたのは何時いつごろからのことで御座いますか。

答 しゅふくくわつなさったときからのことで御座います。

問 それでは聖書せいしょうちふくくわつまつったことはしるして御座いますでせうか。

答 しるして御座いますせい使徒しとぎやうじつうちにはしゅもん徒等とら聖体せいたいみつおこなってしゅおんくるしみをおくするためふくくわつあつまったことをしるしてもうして御座います『なぬはじめもんパンためあつま云々うんぬん』(二十の七またもくろくに『しゅラッパごとおほいなるこえけり』(一の十)としるして御座います、『しゅ』とはしゅふくくわつしたもので御座います。

問 十誡じっかいの第四誡命かいめいもうして御座いまする『安息あんそくおぼえてこれ聖潔きよくすべし』と誡命いましめただしゅふくくわつ日曜にちえうばかりにくわんけいしたおんいましめで教会のほかしゆくじつ大祭たいさいにはべつくわんけいしてはないので御座いますか。

答 いいえ矢張やつぱりくわんけいしてるので御座いますむかし旧約きうやくけうくわいではただなぬ日目かめえうばかりでなくほかしゆくじつおよおほものいみをも安息あんそくもうしてそのつつしむべきことをいましめてりましたが、ちようそれおなじくわたくしども新約しんやく教会にきましても矢張やつぱただしゅふくくわつばかりでなくしようしんぢょマリヤおよ諸聖人しょせいじんまつためさだめられたねんにもつつしむことをめいじてるので御座います、で御座いますから十誡じっかいの第四誡命かいめいただしゅばかりでなく諸聖人しょせいじんにもくわんけいしてるので御座います。

問 わたくしどもの教会にもうけて御座ございまする諸祭日しょさいじつうち祭日まつりびもっと大切たいせつ祭日まつりびで御座いますか。

答 それわたくしどもすくひため人体じんたいたまひしかみイイスス ハリストス御事ごじせきねんするまつりと、そのかみをおりになったせいマリヤ御事ごじせきねんするまつりで御座います、ここじゆんじよふてそのまつりべてませうならば、
▲第一 しようしんぢょたんじやうさい これせいマリヤうまれになったねんするまつりで御座います
▲第二 しようしんぢょ進堂しんだうさい これせいが神様のみやけんぜられたことをねんするまつりで御座います
▲第三 しようしんぢょ福音ふくいんさい これせいかみ使つかひからかみ御子みこせいからだ懐妊みごもりなさるつげをおうけになったことをねんしたで御座います
▲第四 しゅ降誕かうたんさい これしゅははマリヤかみなるイイスス ハリストスをおみなさったねんしたもので御座います
▲第五 しゅ洗礼せんれいさい 聖三者せいさんしゃさい これせいからたんじやうなさったしゅイイスス ハリストスせんげんしゃイオアンから洗礼せんれいをおけになり、聖三者せいさんしゃあらはれになったことをねんするで御座います
▲第六 しゅ進堂しんだうさい これせいしゅれてかみみやその当時ときふうしたがって宮詣みやもうでに御出おいでになったねんしたもので御座います
▲第七 しゅ変容へんようさい これしゅ其門そのもんなるペトル ヤコフ イオアンおのれさかへしめしになるためハオルさんおいてお姿すがたをおへになったねんしたまつりで御座います
▲第八 せいさい これしゅじふ字架じかにおかかりになる一週間まへおごそかにエルサリムじやうにおはいりになり人民じんみんえだってしゅをおむかへしたで御座います
▲第九 しゅふくくわつさい これしゅわたくしどもすくひためじふ字架じかにおかかりになり三日目により復生よみがへってわたくしども救贖あがなひ御立おたてになったわたくしどももっといはたのしむべきおまつりで御座います
▲第十 しゅしやうてんさい これしゅふくくわつのち四十日目にてんにおのぼりになったで御座います
▲第十一 じゆんさい これしゅしやうてんのち十日目に聖神せいしんもんうへくだったことをねん聖三者せいさんしゃぐるで御座います
▲第十二 じふ字架じか挙栄きょえいさい これはギリシヤこくせいくわうごうエレナしゅのおかかりになったじふ発見はっけんしたねんしたおまつりで御座います
▲第十三 せい就寝ねむりのまつり これしようしんぢょマリヤ御薨去おかくれになったねんしたまつりで御座います

問 教会にはものいみもうしてしやうじん潔斎けっさいする御座ございますさうですがそのものいみうちおもなるものものいみで御座いますか。

答 それじゆん大斎たいさいもうしましてしゅイイスス ハリストスが四十日かんものいみをなさいましたれいならひまして四十日のあひだつづものいみで御座いますこのものいみ毎年まいねんしゅふくくわつさいまへ御座ございまして、しゅ種々いろいろのおくるしみをおしのびになったくるしみの一週間におこなところなぬきびしきものいみあはせて四十七日のものいみを教会では実行じつかうしてります。

問 それでは教会が毎週まいしう水曜日と金曜日にものいみをするやうすすめてりまするのは意味いみからたので御座いますか。

答 水曜日にものいみをしまするのは我主わがしゅイイススくるしみおんわたされになったことをおもひためで金曜日はそのなんとをねんするためで御座います。

問 それではしゅ降誕こうたんさいせい永寝ねむりまつりせい使徒しとペトルパエルまつりまへものいみかれましたのはわけで御座いますか。

答 このふたつのおまつりまへものいみしゅたんじやうせいねむりをうやまこころきよくしてこのまつりむかへるがためもうけたもので御座いまして、あと使徒しとまつりまへものいみせい使徒しとかみおしへ伝道でんだうしたせきおもし、かれおこなひならためもうけたもので御座います。

問 十誡じっかいだい誡命かいめいただしくおこなふには如何いかなることをしたならばよろしう御座いますか。

答 それは神様のなるだいなぬ日目かめにはぞくなるごとをなさずつねこのつつしんできよごとそのけんずるやうにしなければなりませぬ。

問 きよごともうしまするとごとなので御座います。

答 たとへば聖堂せいだうってたうあづかって神様のおんおしへいたり、いへてはたましひえきになるやうなほんんだりまたうつくしいはなしをしたり、そして教会のため、教会につとめてものあるひびやうこまってものまづしいひとため金品きんぴんめぐんだりまたかれなぐさむることで御座います。

問 それでは神様のにさへおこなひをなせばのこりむいおこなひをしてもいので御座いますか。

答 いいえ其様そんなことは御座ございませんのこりむいとても出来できおこなひをなしつとめてとくむやうにしなければなりませぬ、わたくしども神様をしんじてものかなら毎朝夕まいあさゆう神様にたうささ何事なにごとをなすにもひとめ神様のさかえあらはすとこころがけもつてしなければなりませぬ。

問 神様の卑猥みだら演劇しばいたりむべきあそびをなしたり、まためやうたへやのだいたいえんずるやうなことはふもので御座いませう。

答 それろん大罪悪だいざいあくで御座います其様そのやうおこなひつねでさへはなはくないおこなひ御座ございますものをしてしゅなどに其様そのやうおこなひをなせばゆるすべからざることで御座います。

問 毎日まいにちぶんつくすべきしよくぶんつくさず、ただ浮浪々々ぶらぶらとしてそのおくってやうひとうで御座いませう。

答 其様そのやうものろん十誡じっかいこのだい誡命かいめいもとってります、何故なぜかともうしますれば神様はそのいましめうちおいて『むいあひだはたらきてなんぢ一切いっさいわざをなすべし』ともうしてひとむいかのうちいつしやう懸命けんめいはたらかなければならぬものとおしへてるので御座います。