自動車取締令改正

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◎内務省令第二十三號

自動車取締令左ノ通改正ス

昭和八年八月十八日

内務大臣 男爵 山本  達雄

第一章 通則[編集]

第一條 本令ハ道路ニ於テ運轉スル自動車ニ之ヲ適用ス

 本令ニ於テ自動車ト稱スルハ原動機ヲ用ヒ軌條ニ依ラズシテ運轉スル車輛ヲ謂フ

 本令ニ於テ道路ト稱スルハ一般ノ道路、自動車道其ノ他一般通行ノ用ニ供スル場所ヲ謂フ

第二條 自動車ヲ分チテ普通自動車、特殊自動車及小型自動車ノ三種トス

 本令ニ於テ普通自動車ト稱スルハ內燃原動機、差動裝置及前二輪ニ依ル操向裝置ヲ具備シ車輛重量三百六十瓩以上ニシテ主トシテ人又ハ貨物ヲ運搬スル構造ヲ有スル自動車ノ內小型自動車ニ非ザルモノヲ謂フ

 本令ニ於テ特殊自動車ト稱スルハ普通自動車又ハ小型自動車ニ非ザル自動車ヲ謂フ 牽引自動車ハ之ヲ特殊自動車ト看做ス

 本令ニ於テ小型自動車ト稱スルハ左ノ制限ヲ超エザル自動車ヲ謂フ

一 車輛ノ長二・八米、幅一・二米、高一・八米
二 內燃機關ヲ原動機トスルモノニ在リテハ四行程式ヲ用フルモノハ氣筒容積ノ合計七百五十立方糎、二行程式ヲ用フルモノハ氣筒容積ノ合計五百立方糎
三 電動機ヲ原動機トスルモノニ在リテハ一時閒定格出力四・五キロワット

第三條 本令ニ於テ車輛重量ト稱スルハ燃料油槽、潤滑油槽及冷却水槽ヲ充滿シタル狀態ニ於ケル自動車ノ重量ヲ謂フ

 本令ニ於テ自動車ノ總重量ト稱スルハ車輛重量、最大積載量、五十五瓩ニ乘車定員ヲ乘ジタル重量ノ總和ヲ謂フ

第四條 本令ニ於テ自動車ノ停車ト稱スルハ人ノ乘降若ハ貨物ノ積卸ノ爲自動車ヲ停止シ又ハ法令ノ規定若ハ交通上ノ標示、指示ニ依リ若ハ交通上ノ危害豫防ノ爲一時自動車ヲ停止スルコトヲ謂フ

 本令ニ於テ自動車ノ駐車ト稱スルハ停車以外ノ場合ニ於テ自動車ヲ駐ムルコトヲ謂フ 但シ停車ノ場合ト雖モ自動車ノ停止繼續時閒五分以上ニ亘ルトキハ之ヲ駐車ト看做ス

第二章 構造裝置[編集]

第五條 車輛ノ長ハ七・五米、幅ハ二・二米、高ハ三米ヲ超ユルコトヲ得ず 但シ特別ノ事由アルモノニシテ地方長官 (東京府ニ在リテハ警視總監以下之ニ同ジ) ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ

第六條 操向車輪ニ懸ル重量ハ自動車ガ水平面ニ在ルトキ其ノ總重量ノ二割以上タルコトヲ要ス

 車輛ノ重心ノ高ハ空車ノ場合ニ於テ最大轍閒距離ノ七割以內タルコトヲ要ス

 側車附自動自轉車ニ在リテハ側車ノ車輪ニ懸ル重量ハ其ノ總重量ノ三分ノ一以內タルコトヲ要ス

第七條 車輛ノ最短回轉半徑ハ最外側ノ轍ニ就キ測リ十一米以內タルコトヲ要ス

第八條 車輛重量三百六十瓩以上ノ自動車ニ在リテハ逆行裝置ヲ備フベシ

第九條 蒸氣、瓦斯又ハ油其ノ他爆發性若ハ可燃性ノモノヲ容ルベキ器、管及氣筒竝ニ電氣裝置等ハ堅牢ニシテ漏洩又ハ危險ノ虞ナキモノタルコトヲ要ス

第十條 車輛ハ運轉ニ際シ甚シキ騷音ヲ發シ又ハ惡臭若ハ有害ノ瓦斯又ハ煤煙ヲ多量ニ發散セザル構造ニシテ且排出瓦斯又ハ煤煙ノ車室內ニ侵入セザルモノタルコトヲ要ス

第十一條 排氣管ニハ適當ナル消音裝置ヲ備フベシ

第十二條 動力調節裝置、制動裝置、操向裝置、斷續裝置及變速裝置ハ機能確實ニシテ且容易ニ操縱シ得ベキモノタルコトヲ要ス

第十三條 制動裝置ニ付テハ左ノ各號に從フベシ

一 獨立ニ作用スベキ二系統以上ノ制動裝置ヲ備フルコト 但シ總重量二千五百瓩未滿ノ自動車ノ制動裝置ニシテ四箇以上ノ車輪ヲ制動シ且制動力ノ傳達ニ流體壓力ヲ用ヒザルモノニ在リテハ一系統ト爲スヲ妨ゲズ
二 二系統以上ノ制動裝置ヲ備フル場合ニ在リテハ一系統ハ後車軸ノ兩車輪ヲ制動スルコト
三 制動距離 (二系統以上ノ制動裝置ヲ備フル場合ニ在リテハ足動制動裝置ノ制動距離) ハ乾燥セル水平道路ニ於テ第五十一條第一項第一號及第三項ノ自動車ニ在リテハ走行速度每時五十粁ノトキ二十二米、同條第一項第二號ノ自動車ニ在リテハ走行速度每時三十五粁ノトキ十四米ヲ超エザルコト
四 運轉者自動車ニ在ラザルトキ停止狀態ヲ保持シ得ル構造ヲ有スルコト

第十四條 前照燈ニ付テハ左ノ各號に從フベシ

一 車輛ノ前面兩側ニ各一箇ヲ備フルコト
二 五十米ノ前方ニ在ル交通上ノ障害物ヲ明瞭ニ認メ得ベキ光度ヲ有スルコト
三 主要光線ノ限界ハ前方二十五米以內ニ在リテハ地上一・二米ヲ超エザルコト

第十五條 車輛ノ後面ニハ相當ノ光度ヲ有スル赤色ノ尾燈一箇以上及夜閒二十五米ノ距離ニ於テ後面車輛番號ヲ明瞭ニ認メ得ベキ燈火ヲ備フベシ

 前項ノ燈火ハ運轉者ノ座席ヨリ消燈シ得ザル裝置ト爲スベシ

第十六條 運轉者ノ見易キ箇所ニ速度計ヲ備フベシ

第十七條 軟調ノ音響ヲ發スル警音器ヲ備フベシ 但シ消防自動車及救急自動車ニ在リテハ之ニ異ル警音器ヲ備フルコトヲ得

第十八條 輪帶ハ護謨製ノモノタルコトヲ要ス

第十九條 地方長官ハ市街地其ノ他交通頻繁ナル場所ニ於テ運轉スル自動車ニ付方向指示器又ハ停止燈ノ備付ヲ命ズル規定ヲ設クルコトヲ得

 地方長官ハ自動車ニ依リ汚水泥土ヲ飛散スルノ虞アル場合ニ於ケル泥除ノ備付ヲ命ズル規定ヲ設クルコトヲ得

 地方長官ハ緩衝器、後寫鏡、前面硝子拂拭器若ハ室內燈ノ備付又ハ本令ニ規定スルモノノ外車輛ノ燈火若ハ塗色ノ制限ニ付規定ヲ設クルコトヲ得

第二十條 自動自轉車、側車附自動自轉車又ハ特殊自動車若ハ小型自動車タル自動三輪車ノ構造裝置ニ付テハ第十三條第一號、第十四條第一號及第三十一條第一項ノ規定ニ拘ラズ左ノ制限ニ依ルコトヲ得

一 一系統ノ制動裝置ヲ備フルコト
二 前照燈一箇以上ヲ備フルコト
三 車輛番號ハ車輛ノ後面ニ標示スルコト

 小型自動車タル自動自轉車、側車附自動自轉車又ハ自動三輪車ニシテ左ノ制限ヲ超エザルモノニ在リテハ速度計ヲ備ヘザルコトヲ得

一 內燃機關ヲ原動機トスルモノニ在リテハ四行程式ヲ用フルモノハ氣筒容積ノ合計四百五十立方糎、二行程式ヲ用フルモノハ氣筒容積ノ合計三百立方糎
二 電動機ヲ原動機トスルモノニ在リテハ一時閒定格出力三キロワット

第二十一條 地方長官ハ前條以外ノ特殊自動車ニ付第六條、第十三條乃至第十八條及第三十一條第一項ノ規定ニ拘ラズ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得

 地方長官ハ前條以外ノ小型自動車ニ付第十三條、第十四條及第十六條ノ規定ニ拘ラズ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得

第二十二條 地方長官ハ常ニ危險物ヲ運搬スル自動車ニ付テハ其ノ構造裝置ニ付特別ノ制限ヲ設クルコトヲ得 交通上特ニ危險ノ虞アル道路ニ於テ常ニ運轉スル自動車ニ付亦同ジ

第二十三條 運轉者ハ其ノ構造裝置ニ付危害ヲ防止スルニ必要ナル注意ヲ爲スベシ

 自動車ノ使用主其ノ構造裝置ノ缺陷ニ付警察官吏又ハ運轉者ヨリ吿知ヲ受ケタルトキハ直ニ危害防止ニ付必要ナル措置ヲ爲スベシ

第三章 檢査[編集]

第二十四條 自動車ハ車輛檢査ニ合格シ車輛番號ノ指示ヲ受ケタルモノニ非ザレバ之ヲ運轉スルコトヲ得ズ 但シ地方長官ノ定ムル所ニ依リ檢査、試運轉、回送等ノ爲一時自動車ヲ運轉スルハ此ノ限ニ在ラズ

第二十五條 車輛檢査ハ使用主ノ申請ニ依リ主タル使用地ノ地方長官之ヲ行フ

 商品トシテ自動車ヲ所持スル者ハ自動車所在地ノ地方長官ニ申請シテ車輛檢査ヲ受クルコトヲ得

第二十六條 前條ノ申請者ハ車輛檢査ノ申請ニ際シ自動車ノ乘車定員又ハ最大積載量ヲ申吿スベシ 車輛檢査ヲ受ケタル後之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ

 地方長官必要アリト認ムルトキハ前項ノ申吿ニ拘ラズ自動車ノ乘車定員又ハ最大積載量ヲ指定スルコトヲ得

 前二項ノ規定ニ依ル乘車定員又ハ最大積載量ハ自動車ノ總重量ト共ニ車輛檢査證ニ之ヲ記載ス

第二十七條 車輛檢査ニ合格シタルトキハ別記第一號樣式ノ車輛檢査證ヲ交付シ車輛番號ヲ指示ス 但シ商品トシテ車輛檢査ヲ受ケタル自動車ニハ車輛番號ヲ指示セズ

 商品トシテ車輛檢査ニ合格シタル自動車ヲ使用セントスルトキハ使用主ハ主タル使用地ノ地方長官ニ申請シテ車輛檢査證ノ書換及車輛番號ノ指示ヲ受クベシ

第二十八條 車輛檢査ノ有效期閒ハ一年トス 但シ特別ノ事由アル自動車ニ付テハ地方長官ハ一年以內ニ於テ其ノ有效期閒ヲ指定スルコトヲ得

 前條第二項又ハ第三十條第二項ノ規定ニ依リ車輛檢査證ノ書換ヲ受ケタル場合ニ於テハ新車輛檢査證ハ舊車輛檢査證ノ有效期閒內ニ限リ其ノ效力ヲ有ス

第二十九條 車輛檢査ノ有效期閒滿了後引續キ自動車ヲ使用セントスル者ハ有效期閒滿了前三十日以內ニ車輛檢査ヲ申請スルコトヲ得

第三十條 自動車ノ使用主其ノ主タル使用地ヲ變更シタルトキハ十日以內ニ後ノ使用地ノ地方長官ニ屆出デ車輛檢査證ニ其ノ旨記入ヲ受ケ且車輛番號ノ指示ヲ受クベシ

 自動車ノ使用主ノ變更アリタルトキハ後ノ使用主ハ十日以內ニ其ノ主タル使用地ノ地方長官ニ屆出デ車輛檢査證ノ書換ヲ受クベシ 其ノ主タル使用地前ノ使用主ノ主タル使用地ト異ルトキハ更ニ車輛番號ノ指示ヲ受クベシ

第三十一條 車輛檢査證ハ車輛內部ノ見易キ箇所ニ、車輛番號ハ車輛ノ前面及後面見易キ箇所ニ之ヲ標示スベシ

 一般公衆ノ乘用ニ供スル自動車ニ在リテハ前項ノ外車室內乘用者ノ見易キ箇所ニ車輛番號ヲ標示スベシ

第三十二條 車輛檢査ニ合格シタル自動車ニシテ左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ使用主ハ直ニ主タル使用地ノ地方長官ニ屆出デ變更檢査ヲ受クベシ

一 原動機又ハ其ノ氣筒ヲ取換ヘタルトキ
二 燃料油槽ノ構造又ハ位置ヲ變更シタルトキ
三 制動裝置、變速裝置又ハ操向裝置ノ構造ヲ變更シタルトキ
四 貨物自動車ノ荷臺ノ構造ヲ變更シタルトキ
五 車輛ノ長、幅又ハ高ヲ增加シタルトキ
六 第二十二條ノ規定ニ依ル特別ノ構造裝置ヲ設ケ又ハ之ヲ變更シタルトキ

第三十三條 地方長官ハ定期又ハ臨時ニ車輛ノ檢査ヲ行フコトヲ得

第三十四條 地方長官ハ前二條ノ規定ニ依ル檢査ニ基キ車輛檢査ノ有效期閒ヲ延長シ若ハ短縮シ又ハ自動車ノ使用ヲ停止シ若ハ禁止スルコトヲ得

第三十五條 車輛檢査證ヲ滅失シ又ハ毀損シタルトキハ主タル使用地ノ地方長官ニ其ノ再交付ヲ申請スルコトヲ得

第三十六條 左ニ揭グル場合ニ於テハ自動車ノ使用主ハ遲滯ナク車輛檢査證ヲ主タル使用地ノ地方長官ニ返納スベシ

一 自動車ノ使用ヲ廢止シタルトキ
二 車輛檢査ノ有效期閒滿了シタルトキ
三 第三十四條ノ規定ニ依リ自動車ノ使用ノ停止又ハ禁止ヲ命ゼラレタルトキ
四 車輛檢査證ノ書換ヲ受ケタルトキ
五 車輛檢査證ノ再交付ヲ受ケタル者舊車輛檢査證ヲ所持スルトキ

 自動車ノ使用ノ停止期閒滿了シタルトキハ車輛檢査證ヲ自動車ノ使用主ニ還付ス

第四章 運轉免許[編集]

第三十七條 運轉免許ヲ受ケタル者ニ非ザレバ自動車ヲ運轉スルコトヲ得ズ

 運轉免許ヲ分チテ普通免許、特殊免許及小型免許ノ三種トス

 普通免許ヲ受ケタル者ハ普通自動車及小型自動車ヲ、特殊免許ヲ受ケタル者ハ特定種類ノ特殊自動車及小型自動車ヲ、小型免許ヲ受ケタル者ハ小型自動車ヲ運轉スルコトヲ得

 前項ノ特殊自動車ノ種類ハ內務大臣之ヲ定ム

第三十八條 運轉免許ヲ受ケントスル者ハ其ノ主タル運轉地ノ地方長官ニ申請スベシ

 地方長官運轉免許ヲ與ヘタルトキハ別記第二號樣式ノ運轉免許證ヲ交付ス

第三十九條 運轉免許ノ有效期閒ハ五年トス

第四十條 運轉免許ノ有效期閒滿了後引續キ自動車ヲ運轉セントスル者ハ有效期閒滿了前六月以內ニ運轉免許ヲ申請スルコトヲ得

第四十一條 運轉免許ハ試驗ニ合格シ且左ノ各號ニ該當セザル者ニ之ヲ與フ 但シ小型免許ニ在リテハ試驗ヲ行ハズ

一 普通免許及特殊免許ニ付テハ十八歲未滿ノ者、小型免許ニ付テハ十六歲未滿ノ者
二 精神病者、聾者、啞者又ハ盲者
三 運轉免許ノ取消ヲ受ケ一年ヲ經過セザル者
四 其ノ他地方長官ニ於テ不適當ト認ムル者

 運轉免許ノ試驗ハ自動車ノ構造及取扱方法ノ要旨、自動車及交通ニ關スル取締法令竝ニ自動車ノ運轉技能ニ關シ之ヲ行フ

第四十二條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニ付テハ前條ノ規定ニ依ル試驗ノ全部又ハ一部ヲ省略スルコトヲ得

一 現ニ運轉免許ヲ有シ運轉免許ノ有效期閒滿了後引續キ自動車ヲ運轉セントスル者
二 普通免許ヲ有スル者ニシテ特殊免許ヲ受ケントスル者
三 特殊免許ヲ有スル者ニシテ普通免許又ハ異種ノ特殊免許ヲ受ケントスル者

 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ニ付テハ前條ノ規定ニ依ル試驗ノ一部ヲ省略スルコトヲ得

一 特殊免許ヲ受ケントスル者
二 本令施行區域外ノ行政廳ニ於テ與ヘタル運轉免許ヲ有スル者
三 甲種工業學校又ハ之ト同等以上ノ學校ノ機械科卒業者ニシテ在學中自動車ノ構造ニ關スル學科ヲ修得シタル者
四 內務大臣ノ指定シタル者ノ發行スル技倆證明書ヲ有スル者

第四十三條 第四十一條第一項各號ニ該當セズ且本令施行區域外ノ行政廳ニ於テ與ヘタル運轉免許ヲ有スル短期閒滯在者ハ地方長官ニ假運轉免許ヲ申請スルコトヲ得

 前項ノ申請アリタルトキハ地方長官ハ自動車ヲ指定シ三月以內ニ於テ期閒ヲ限リ假運轉免許ヲ與フルコトヲ得

 前項ノ假運轉免許ヲ與ヘタルトキハ別記第三號樣式ノ假運轉免許證ヲ交付ス

 假運轉免許ヲ受ケタル者ハ指定ヲ受ケタル自動車ニ限リ之ヲ運轉スルコトヲ得

第四十四條 運轉者ハ運轉中運轉免許證又ハ假運轉免許證ヲ携帶スベシ

第四十五條 運轉免許ヲ受ケタル者其ノ主タル運轉地ヲ變更シタルトキハ十日以內ニ後ノ主タル運轉地ノ地方長官ニ屆出デ運轉免許證ニ其ノ旨記入ヲ受クベシ

第四十六條 第四十一條第一項第二號ニ該當スルトキハ主タル運轉地ノ地方長官 (假運轉免許ニ在リテハ之ヲ與ヘタル地方長官以下之ニ同ジ) ハ運轉免許又ハ假運轉免許ヲ取消シ又ハ停止スベシ

 左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ主タル運轉地ノ地方長官ハ運轉免許又ハ假運轉免許ヲ取消又ハ停止スルコトヲ得

一 故意又ハ過失ニ因リ自動車ニ依リ人ヲ傷害シ又ハ物件ヲ損壞シタルトキ
二 第四十一條第一項第四號ニ該當スルトキ
三 本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキ

第四十七條 運轉免許ヲ受ケタル者ハ重ネテ同種ノ運轉免許ヲ受クルコトヲ得ズ

 前項ノ規定ニ違反シテ交付ヲ受ケタル運轉免許證ハ無效トス

 前項ノ無效ノ運轉免許證ハ遲滯ナク之ヲ交付シタル地方長官ニ返納スベシ

第四十八條 運轉免許證又ハ假運轉免許證ヲ滅失シ又ハ毀損シタルトキハ主タル運轉地ノ地方長官ニ其ノ再交付ヲ申請スルコトヲ得

第四十九條 左ニ揭グル場合ニ於テハ遲滯ナク運轉免許證又ハ假運轉免許證ヲ主タル運轉地ノ地方長官ニ返納スベシ

一 運轉免許又ハ假運轉免許ノ有效期閒滿了シタルトキ
二 第四十六條ノ規定ニ依リ運轉免許又ハ假運轉免許ノ取消又ハ停止ヲ受ケタルトキ
三 運轉免許證又ハ假運轉免許證ノ再交付ヲ受ケタル者舊免許證ヲ所持スルトキ
四 普通免許證又ハ特殊免許證ノ交付ヲ受ケタル者小型免許證ヲ所持スルトキ

 運轉免許又ハ假運轉免許ノ停止期閒滿了シタルトキハ運轉免許證又ハ假運轉免許證ヲ本人ニ還付ス

 運轉免許又ハ假運轉免許ヲ受ケタル者死亡シ又ハ行衞不明トナリタルトキハ其ノ戶主、家族又ハ雇主ニ於テ第一項ノ手續ヲ爲スベシ

第五章 用法[編集]

第五十條 地方長官ハ自動車ノ通行スル道路、區域又ハ時閒ニ關スル制限ヲ設クルコトヲ得

第五十一條 自動車ノ最高速度ハ左ノ制限ニ依ルベシ

一 自動車ノ總重量二千五百瓩未滿 (乘車定員七人以下ノ乘用自動車ニ在リテハ總重量三千瓩未滿) ニシテ全車輪ニ空氣入輪帶ヲ使用シ且全車輪ヲ制動スル制動裝置ヲ有スルモノニ在リテハ每時五十粁
二 其ノ他ノ自動車ニ在リテハ每時三十五粁

 地方長官ハ道路、區域、時閒又ハ自動車ヲ指定シテ前項ニ規定スル制限ノ範圍內ニ於テ更ニ必要ナル最高速度ノ制限ヲ設クルコトヲ得

 消防自動車、救急自動車其ノ他之ニ類スル地方長官ノ定ムル自動車ニ付テハ地方長官ハ第一項ノ制限ヲ超エテ其ノ最高速度ノ規定ヲ設クルコトヲ得

 自動車道ニ於テ運轉スル自動車ノ最高速度ニ付テハ前各項ノ規定ニ拘ラズ地方長官之ヲ定ム

第五十二條 運轉者ハ前條ノ規定ニ依ル最高速度ノ制限內ニ於テ道路及交通ノ狀況ニ應ジ公衆ニ危害ヲ及ボスノ虞ナキ速度竝ニ方法ヲ以テ運轉スベシ

第五十三條 自動車ノ方向ヲ轉換シ、徐行シ若ハ停止セントスル場合又ハ後續車輛ヲシテ追越サシメントスル場合ハ手信號ヲ爲スベシ 但シ方向指示器又ハ停止燈ニ依ル信號ヲ以テ手信號ニ代フル場合ハ此ノ限ニ在ラズ

 前項ノ手信號ハ左ノ方法ニ依ルベシ

一 右折セントスルトキ
右手ヲ開キ右方車體外ニ水平ニ出シ又ハ左手ヲ開キ左方車體外ニ擧グ
二 左折セントスルトキ
左手ヲ開キ左方車體外ニ水平ニ出シ又ハ右手ヲ開キ右方車體外ニ擧グ
三 後續車輛ヲシテ追越サシメントスルトキ
右手ヲ開キ右方車體外ニ出シテ之ヲ前後水平ニ動カス
四 徐行セントスルトキ
右手又ハ左手ヲ開キ車體外斜下ニ出ス
五 停止セントスルトキ
右手又ハ左手ヲ握リ車體外斜下ニ出ス

 運轉者ハ前項各號以外ノ場合ニ於テハ地方長官ノ定ムル所ニ依リ信號ヲ爲スベシ

第五十四條 交通整理ノ行ハレザル道路ノ交叉點ニ異リタル方向ヨリ同時ニ入ラントスル自動車相互閒ニ在リテハ左方ノ自動車ニ進路ヲ讓ルベシ 但シ小道路ヨリ大道路ニ入ラントスル自動車ハ大道路ノ自動車ニ進路ヲ讓ルベシ

 消防自動車又ハ救急自動車ト他ノ自動車トガ交通整理ノ行ハレザル道路ノ交叉點ニ異リタル方向ヨリ同時ニ入ラントスル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ常ニ消防自動車又ハ救急自動車ニ進路ヲ讓ルベシ

第五十五條 消防自動車又ハ救急自動車ノ接近シ來リタル場合ニハ他ノ自動車ハ道路ノ左側端ニ避讓スベシ

第五十六條 運轉者ハ道路の交叉點、曲角、急坂路、隧道又ハ幅員狹キ橋梁ニ於テハ他ノ自動車ヲ追越スベカラズ 但シ消防自動車及救急自動車ヲ運轉スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ

第五十七條 鐵道又ハ軌道ノ踏切ヲ通過セントスルトキハ自動車ノ運轉者ハ一旦停車シ安全ナルコトヲ確認シタル後通行スベシ 但シ警察官吏、信號人等ノ指示、信號ノ表示其ノ他ノ狀況ニ依リ通行ノ安全ナルコトヲ確認シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ

第五十八條 乘客乘降ノ爲停留中ノ電車ノ側方ヲ通過セントスルトキハ自動車ノ運轉者ハ其ノ後方ニ於テ一旦停車シ電車ノ發車ヲ待チテ進行スベシ 但シ乘客ノ乘降終了シタル場合、安全地帶ノ設アル場合又ハ電車ノ左方ニ自動車ト一・五米以上ノ閒隔ヲ存スル場合ニ於テハ徐行スルコトヲ得

第五十九條 不適當ナル積載又ハ運轉ニ因リ運轉中甚シキ騷音ヲ發セシムベカラズ

 警音器ハ交通安全ノ爲必要ナル限度ヲ超エテ之ヲ使用スベカラズ

 排氣ハ運轉中消音裝置ヲ經ズシテ排出セシムベカラズ 但シ急坂路ニ於テ運轉上已ムヲ得ザル場合ハ此ノ限ニ在ラズ

第六十條 運轉中惡臭若ハ有害ノ瓦斯又ハ煤煙ヲ多量ニ發散セシムベカラズ

第六十一條 夜閒自動車ヲ運轉スルトキハ制規ノ燈火ヲ點ズベシ

 前項ノ場合ニ於テ他ノ自動車ト行違フトキハ前照燈ノ光度ヲ減ジ若ハ其ノ照射方向ヲ下向ト爲シ又ハ前照燈ヲ一時消滅シテ側燈ヲ點ズベシ

第六十二條 運轉者ハ酒氣ヲ帶ビテ自動車ヲ運轉シ又ハ運轉中喫煙スベカラズ

第六十三條 自動車ノ使用主又ハ運轉者ハ車輛ノ長、幅、高地上三・五米又ハ車輛檢査證ニ記載シタル乘車定員若ハ最大積載量ヲ超エテ積載シ又ハ第六條ニ規定スル車輛ノ安定ヲ失ハシムル積載ヲ爲スベカラズ 但シ出發地警察官署ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ

 小型自動車ニ在リテハ前項ノ外高地上一・八米ヲ超エテ貨物ヲ積載スベカラズ

第六十四條 左ノ場所ニ於テハ交通上已ムヲ得ザル場合ヲ除クノ外自動車ヲ停車シ又ハ駐車スベカラズ

一 道路ノ交叉點又ハ曲角ヨリ五米以內
二 橫斷步道
三 安全地帶ノ左側
四 前各號ノ外地方長官ノ指定シタル場所

 左ノ場所ニ於テハ交通上已ムヲ得ザル場合ヲ除クノ外自動車ヲ駐車スベカラズ

一 隧道又ハ橋梁
二 消防署、消防出張所、消防機具置場ノ直前及其ノ兩端ヨリ三米以內
三 火災報知機又ハ消火栓ヨリ三米以內
四 前各號ノ外地方長官ノ指定シタル場所

第六十五條 地方長官ハ自動車ノ駐車ニ關スル時閒ノ制限ヲ設クルコトヲ得

第六十六條 地方長官ハ時閒ヲ定メ又ハ定メズシテ一定區域內ニ於ケル駐車場ヲ指定スルコトヲ得

 前項ノ指定アリタルトキハ自動車ノ運轉者ハ當該區域及時閒內ニ於テハ駐車場以外ノ場所ニ駐車スルコトヲ得ズ

第六十七條 自動車ノ停車又ハ駐車ハ交通上已ムヲ得ザル場合ヲ除クノ外道路ノ左側端ニ於テ交通ノ方向ニ從ヒ之ヲ爲スベシ

 地方長官ハ道路、區域、時閒又ハ自動車ヲ指定シテ前項ノ規定ニ異ル停車又ハ駐車ノ方法ヲ命ズルコトヲ得

第六十八條 運轉者停車又ハ駐車中ノ自動車ヲ去ラントスルトキハ停止狀態ヲ保持シ得ル措置ヲ爲シ已ムヲ得ザル場合ヲ除クノ外機關ノ回轉ヲ停止スベシ

第六十九條 運轉者ハ危害豫防其ノ他交通上ノ必要ニ基ク地方長官若ハ警察署長ノ標示又ハ警察官吏ノ指示ニ從フベシ

第七十條 自動車ニ依リ人ヲ傷害シ又ハ物件ヲ損壞シタルトキハ運轉者ハ直ニ其ノ運轉ヲ中止スベシ

 前項ノ場合ニ於テ運轉者ハ被害者ノ救護其ノ他ニ付必要ナル應急ノ措置ヲ爲スベシ 但シ警察官吏在ルトキハ其ノ指示ニ從フベシ

 運轉者ハ前項ノ措置ヲ了シ且本人、雇主、自動車使用主ノ氏名、住所 (法人ニ在リテハ其ノ名稱、事務所所在地) 及車輛番號ヲ警察官吏ニ申吿シ、警察官吏在ラザルトキハ被害者又ハ其ノ同伴者ニ同一事項ヲ通吿スルニ非ザレバ自動車ノ運轉ヲ繼續スルコトヲ得ズ

 乘合自動車、消防自動車、郵便自動車、救急自動車又ハ傷病人運搬自動車ノ運轉者ハ乘務員其ノ他ノ從業員ヲシテ前二項ノ措置ヲ爲サシメ自動車ノ運轉ヲ繼續スルコトヲ得

 第三項後段ノ規定又ハ前項ノ規定ニ從ヒ自動車ノ運轉ヲ繼續シタル場合ニ於テハ運轉者ハ遲滯ナク前各項ノ事實ヲ警察官吏ニ申吿スベシ

 乘用者ハ運轉者ガ第一項乃至第三項又ハ前項ノ措置ヲ爲スニ付之ヲ妨グルコトヲ得ズ

第六章 車輛の牽引[編集]

第七十一條 自動車ニ依リ他ノ車輛ヲ牽引スル場合ハ左ノ制限ニ從フベシ

一 牽引裝置其ノ他車輛ノ牽引ニ適スル構造ヲ有スル自動車ニ依リ牽引スルコト
二 被牽引車ハ幅二・二米以內、高三米以內トシ牽引車ト被牽引車トヲ連結シ全長十二米以內タルコト
三 積荷ハ牽引車及被牽引車ノ幅、牽引車ノ前方又ハ被牽引車ノ後方一米若ハ其ノ高地上三・五米ヲ超エテ之ヲ積載セザルコト
四 被牽引車ノ輪帶ハ護謨製ノモノタルコト
五 被牽引車ニハ運轉者牽引車ニ在ラザルトキ停止狀態ヲ保持シ得ベキ制動裝置ヲ備ヘ第六十八ノ規定ニ準ジ措置スルコト
六 被牽引車ニハ制動裝置ノ操作ヲ爲ス者ヲ乘車セシムルコト 但シ運轉者ノ座席ヨリ操作スルコトヲ得ル制動裝置ヲ有スルモノニ在リテハ此ノ限ニ在ラズ
七 制動距離ハ牽引車ト被牽引車トヲ連結シタル場合乾燥セル水平道路ニ於テ最高速度制限每時二十五粁ノモノニ在リテハ走行速度每時二十五粁ノトキ十米、最高速度制限每時十六粁ノモノニ在リテハ走行速度每時十六粁ノトキ六米ヲ超エザルコト
八 被牽引車ノ後面ニ相當光度ヲ有スル赤色ノ尾燈一箇以上ヲ備ヘ夜閒之ヲ點燈スルコト
九 被牽引車ノ後面見易キ箇所ニ被牽引車ノ車輛番號ヲ標示シ夜閒二十五米ノ距離ニ於テ之ヲ明瞭ニ認メ得ベキ燈火ヲ以テ照射スルコト
十 前二號ニ規定スル燈火ハ運轉者ノ座席ヨリ之ヲ消燈シ得ザル裝置ト爲スコト
十一 最高速度ハ牽引車及被牽引車ノ全車輪ニ空氣入輪帶ヲ使用シ運轉者ノ座席ヨリ牽引車及被牽引車ノ全車輪ヲ制動スルモノニ在リテハ每時二十五粁、其ノ他ノモノニ在リテハ每時十六粁タルコト

 前項ノ規定ニ依ル積荷ノ制限ヲ超エ分割スベカラザル物ヲ積載スル場合ハ出發地警察官署ノ許可ヲ受クベシ

 事故ニ因リ他ノ車輛ヲ牽引スル場合ハ前二項ノ制限ニ依ラザルコトヲ得

第七十二條 地方長官必要アリト認ムルトキハ前條第一項ノ規定ニ拘ラズ特別ノ制限ヲ設クルコトヲ得

第七章 就業免許[編集]

第七十三條 就業免許ヲ受ケタル者ニ非ザレバ一般公衆ノ乘用ニ供スル自動車ヲ運轉スルコトヲ得ズ

第七十四條 就業免許ヲ受ケントスル者ハ其ノ主タル就業地ノ地方長官ニ申請スベシ

 地方長官就業免許ヲ與ヘタルトキハ別記第四號樣式ノ就業免許證ヲ交付ス

第七十五條 就業免許ハ運轉免許ヲ有スル閒ニ限リ其ノ效力ヲ有ス

第七十六條 就業免許ハ運轉免許ヲ有スル者ニシテ試驗ニ合格シ且左ノ各號に該當セザル者ニ之ヲ與フ

一 二十歲未滿ノモノ
二 傳染性疾患ヲ有スル者
三 就業免許ノ取消ヲ受ケ一年ヲ經過セザル者
四 其ノ他地方長官ニ於テ不適當ト認ムル者

 就業免許ノ試驗ハ主タル就業地ノ地理其ノ他必要ト認ムル事項ニ關シ之ヲ行フ

 小型免許ノミヲ有スル者ニ付テハ前項ノ外小型自動車ノ運轉技能ニ關シ試驗ヲ行フ

第七十七條 就業免許ヲ受ケタル者其ノ主タル就業地ヲ變更シタルトキハ十日以內ニ後ノ主タル就業地ノ地方長官ニ屆出デ就業免許證ニ其ノ旨記入ヲ受クベシ

 前項ノ屆出ヲ受ケタル地方長官ハ前條第二項ノ試驗ヲ行フコトヲ得

 前項ノ試驗ニ合格セザルトキハ其ノ道府縣ヲ主タル就業地ト爲スコトヲ得ズ

第七十八條 左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ主タル就業地ノ地方長官ハ就業免許ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得

一 故意又ハ過失ニ因リ自動車ニ依リ人ヲ傷害シ又ハ物件ヲ損壞シタルトキ
二 第七十六條第一項第二號又ハ第四號ニ該當スルトキ
三 本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキ

第七十九條 第四十四條及第四十七條乃至第四十九條ノ規定ハ就業免許ニ付之ヲ準用ス

第八章 罰則[編集]

第八十條 第二十四條 (車輛檢査)、第三十七條第一項 (運轉免許)、第七十條 (事故の處置) 及第七十三條 (就業免許) ノ規定ニ違反シタル者又ハ第三十四條 (車輛ノ檢査ニ因ル禁停止)、第四十六條 (運轉免許ノ取消停止)、第七十七條第三項 (就業地變更ノ禁止) 及第七十八條 (就業免許ノ取消停止) ノ規定ニ依ル地方長官ノ處分ニ違反シタル者ハ三月以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ百圓以下ノ罰金又ハ拘留又ハ科料ニ處ス

第八十一條 過失ニ因リ前條ノ罪ヲ犯シタル者ハ拘留又ハ科料ニ處ス

第八十二條 左ニ揭グル者ハ拘留又ハ科料ニ處ス

一 故意又ハ過失ニ因リ第二十三條 (構造裝置ノ保全)、第三十條 (使用地變更手續)、第三十一條 (檢査證、番號ノ標示)、第三十二條 (變更檢査)、第三十六條 (車輛檢査證ノ返納)、第四十四條 (運轉免許證ノ携帶)、第四十五條 (運轉地變更手續)、第四十七條第三項 (重交付運轉免許證ノ返納)、第四十九條 (運轉免許證ノ返納)、第五十二條 (安全ナル速度、方法)、第五十五條 (避讓)、第五十六條 (追越)、第五十七條 (踏切通行)、第五十八條 (電車側方通行)、第五十九條 (騷音取締)、第六十條 (瓦斯、煤煙)、第六十一條第一項 (點燈)、第六十二條 (酒氣、喫煙)、第六十三條 (定員、積載量等ノ嚴守)、第六十四條 (停車、駐車ノ制限)、第六十六條第二項 (駐車場指定ノ際ニ於ル駐車ノ制限)、第六十七條第一項 (停車、駐車ノ方法)、第六十八條 (停止狀態保持)、第六十九條 (標示、指示ノ遵守)、第七十一條第一項 (車輛牽引ノ諸制限) 及第七十七條第一項 (就業地變更手續) ノ規定ニ違反シタル者
二 故意又ハ過失ニ因リ第五十條 (道路ノ制限) 及第七十二條 (車輛牽引ノ特別制限) ノ規定ニ依ル地方長官ノ命令又ハ處分ニ違反シタル者又ハ第六十五條ノ規定ニ依リ地方長官ノ定メタル駐車ニ關スル時閒ノ制限又ハ第六十七條第二項ノ規定ニ依リ地方長官ノ命ジタル停車若ハ駐車ノ方法ニ違反シテ自動車ヲ停車シ又ハ駐車シタル者
三 故意又ハ過失ニ因リ第五十一條第一項ニ規定スル最高速度ノ制限又ハ同條第二項乃至第四項及第七十二條ノ規定ニ依リ地方長官ノ定メタル最高速度ノ制限ヲ超エテ自動車ヲ運轉シタル者
四 故意又ハ過失ニ因リ第三十三條ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ又ハ檢査ヲ受クルコトヲ怠リタル者
五 運轉免許又ハ就業免許ヲ受ケ重ネテ同種ノ運轉免許又ハ就業免許ヲ申請シタル者

第八十三條 第四十四條 (運轉免許證ノ携帶)、第四十七條第三項 (重交付運轉免許證ノ返納) 及第四十九條 (運轉免許證ノ返納) ノ違反ニ對スル罰則ノ規定ハ就業免許ニ付之ヲ準用ス

第八十四條 自動車ノ使用主ニシテ未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令ニ依リ之ニ適用スベキ罰則ハ之ヲ其ノ法定代理人ニ適用ス 但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ

 自動車ノ使用主ニシテ法人ナルトキハ本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令ニ依リ之ニ適用スベキ罰則ハ之ヲ法人ノ代表者ニ適用ス

第八十五條 自動車ノ使用主ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ニシテ使用主ニ關スル本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ

第八十六條 本令ハ昭和八年十一月一日ヨリ之ヲ施行ス

第八十七條 本令施行前ニ車輛檢査ニ合格シタル自動車ハ本令ノ規定ニ依リ車輛檢査ニ合格シタル自動車ト看做ス 但シ其ノ檢査證ノ有效期閒ハ之ヲ變更セズ

 前項ノ自動車ノ使用主ハ本令施行ノ日ヨリ六月以內ニ主タル使用地ノ地方長官ニ申請シ本令第二條ノ規定ニ依ル自動車ノ種別ニ付指定ヲ受ケ且檢査證ニ其ノ旨記入ヲ受クベシ

第八十八條 本令施行ノ際現ニ車輛檢査ヲ要セズシテ使用スル自動車ニシテ本令ノ規定ニ依リ新ニ車輛檢査ヲ受クルヲ要スルモノノ車輛檢査及積載制限ニ付テハ本令施行ノ日ヨリ一年以內ハ本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ拘ラズ從前ノ規定ニ依ルコトヲ得

第八十九條 本令施行ノ際現ニ使用スル自動車ノ構造裝置ニ付テハ本令施行ノ日ヨリ一年以內ハ本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令ノ制限ニ拘ラズ從前ノ規定ニ依ルコトヲ得

第九十條 本令施行ノ際現ニ運轉手免許ヲ有スル者ハ左ノ區別ニ從ヒ本令ノ規定ニ依リ運轉免許ヲ受ケタル者ト看做ス 但シ其ノ免許ノ有效期閒ハ之ヲ變更セズ

一 甲種免許證ヲ有スル者ハ各種ノ運轉免許
二 普通自動車ニ付乙種免許證ヲ有スル者ハ普通免許
三 特殊自動車ニ付乙種免許證ヲ有スル者ハ當該特定種類ノ特殊自動車ニ關スル特殊免許
四 小型自動車ニ付乙種免許證ヲ有スル者ハ小型免許

 前項第二號乃至第四號ニ該當スル者ハ本令施行ノ日ヨリ六月以內ニ主タル運轉地ノ地方長官ニ免許證ヲ提示シテ各種別ニ付記入ヲ受クベシ

第九十一條 本令施行ノ際現ニ運轉手免許ヲ要セズシテ自動車ヲ運轉スル者ニシテ本令ノ規定ニ依リ新ニ運轉免許ヲ受クルヲ要スルモノニ在リテハ本令施行ノ日ヨリ一年以內ハ本令ノ規定ニ依ル運轉免許ヲ受クルコトナクシテ從前運轉手免許ヲ要セズシテ運轉シ得タル自動車ヲ運轉スルコトヲ得

第九十二條 本令施行ノ際現ニ普通自動車ニ付運轉手免許ヲ有スル者ハ本令ノ規定ニ依リ就業免許ヲ受ケタル者ト看做ス

 前項ノ規定ニ該當スル者ハ本令施行ノ日ヨリ一年以內ニ主タル就業地ノ地方長官ニ申請シ就業免許證ノ交付ヲ受クベシ

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公文書
  2. 新聞紙又ハ雑誌ニ掲載シタル雑報及時事ヲ報道スル記事
  3. 公開セル裁判所、議会並政談集会ニ於テ為シタル演述

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。