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聖金口イオアン教訓下 第22講話
<<聞(き)く所(ところ)の言(ことば)を一々(いちいち)心(こころ)に容(い)るゝなかれ>>
商人(しょうにん)は偽(ぎ)造(ぞう)贋制(がんせい)の貨(か)幣(へい)を斥(しりぞ)け、偽(いつわり)を眞(まこと)より区(く)別(べつ)して、眞正(しんせい)のものをうくるなり、汝(なんぢ)も其(そ)の如(ごと)く行(おこな)ふべし、何(なん)等(ら)の言(ことば)にても擇(えら)ばずしてうくるなかれ、不(ふ)正(せい)にしてあしきものはこれをしりぞけて、正(たゞ)しく救(すくひ)に助(たす)くるものを心(こころ)に積(つ)むべし。汝(なんぢ)にも眞鍮(しんちゅう)又(また)は鐵(てつ)より作(つく)りしにあらずして、清潔(せいけつ)と信仰(しんこう)とより成(な)れる権衡(はかり)と秤量(めかた)とあり、且(かつ)実(じつ)にこれあり、さらばこれが助(たす)けによりてもろ〳〵の言(ことば)を吟(ぎん)味(み)すべし。