絵画論 (ダ・ヴィンチ)/第1部/3.どの科学が、どのような形で役に立つのか?

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科学は、その果実がより伝わりやすいものほど有用であり、逆に伝わりにくいものほど有用でないということである。絵画は、宇宙のすべての世代に伝えることのできる目的をもっている。なぜなら、その目的は視覚的な美徳の服従であり、見ることと同じように耳を通して常識に通じることはないからである。したがって、文字のように異なる言語の通訳を必要とせず、自然が生み出すものと変わらずに、人間の種を直ちに満足させたのである。また、人間種だけでなく、他の動物にも、ある家族の父親が真似た絵に現れているように、まだ乳母衣を着た幼い子供たち、同様に同じ家の犬や猫も愛撫しており、そのような光景を見ると驚嘆するばかりである。

絵画は言葉や文字よりも、自然の営みをより真実に、より確実に感覚に表しますが、文字は絵画よりも、言葉をより真実に感覚に表します。しかし、自然の業を表す科学は、操作者の業、すなわち人間の言葉を通過した詩などの言葉を表す科学よりも立派である、と述べた。

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