競争の導入による公共サービスの改革に関する法律
競争の導入による公共サービスの改革に関する法律をここに公布する。
御 名 御 璽
平成十八年六月二日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第五十一号
競争の導入による公共サービスの改革に関する法律
目次
第一条 この法律は、国の行政機関等又は地方公共団体が自ら実施する公共サービスに関し、その実施を民間が担うことができるものは民間にゆだねる観点から、これを見直し、民間事業者の創意と工夫が反映されることが期待される一体の業務を選定して官民競争入札又は民間競争入札に付することにより、公共サービスの質の維持向上及び経費の削減を図る改革(以下「競争の導入による公共サービスの改革」という。)を実施するため、その基本理念、公共サービス改革基本方針の策定、官民競争入札及び民間競争入札の手続、落札した民間事業者が公共サービスを実施するために必要な措置、官民競争入札等監理委員会の設置その他必要な事項を定めるものとする。
第二条 この法律において「国の行政機関」とは、次に掲げる機関をいう。
一 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣府を除く。)
二 内閣府、宮内庁並びに内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び第二項に規定する機関
三 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関
四 内閣府設置法第三十九条及び第五十五条並びに宮内庁法(昭和二十二年法律第七十号)第十六条第二項の機関並びに内閣府設置法第四十条及び第五十六条(宮内庁法第十八条第一項において準用する場合を含む。)の特別の機関
五 国家行政組織法第八条の二の施設等機関及び同法第八条の三の特別の機関
2 この法律において「国の行政機関等」とは、国の行政機関、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。次項において同じ。)、国立大学法人(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人をいう。次項において同じ。)、大学共同利用機関法人(同法第二条第三項に規定する大学共同利用機関法人をいう。次項において同じ。)及び特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第十五号の規定の適用を受けるもの(株式会社であるものを除く。)をいう。次項において同じ。)をいう。
3 この法律において「国の行政機関等の長等」とは、国の行政機関の長、独立行政法人の長、国立大学法人の学長、大学共同利用機関法人の機構長及び特殊法人の代表者をいう。
4 この法律において「公共サービス」とは、次に掲げるものをいう。
一 国の行政機関等の事務又は事業として行われる国民に対するサービスの提供その他の公共の利益の増進に資する業務(行政処分を除く。)のうち次に掲げるもの
イ 施設の設置、運営又は管理の業務
ロ 研修の業務
ハ 相談の業務
ニ 調査又は研究の業務
二 特定公共サービス
5 この法律において「特定公共サービス」とは、国の行政機関等又は地方公共団体の事務又は事業として行われる国民に対するサービスの提供その他の公共の利益の増進に資する業務であって、第五章第二節の規定により、法律の特例が適用されるものとして、その範囲が定められているものをいう。
6 この法律において「官民競争入札」とは、次に掲げる手続をいう。
一 公共サービス改革基本方針(第七条に規定する公共サービス改革基本方針をいう。次項第一号において同じ。)において選定された国の行政機関等の公共サービスについて、国の行政機関等と民間事業者との間において、これを実施する者を決定するための手続であって、第三章第一節の規定により行われるもの
二 第八条に規定する実施方針において選定された地方公共団体の特定公共サービスについて、地方公共団体と民間事業者との間において、これを実施する者を決定するための手続であって、第三章第三節の規定により行われるもの
7 この法律において「民間競争入札」とは、次に掲げる手続をいう。
一 公共サービス改革基本方針において選定された国の行政機関等の公共サービスについて、民間事業者の間において、これを実施する者を決定するための手続であって、第三章第二節の規定により行われるもの
二 第八条に規定する実施方針において選定された地方公共団体の特定公共サービスについて、民間事業者の間において、これを実施する者を決定するための手続であって、第三章第四節の規定により行われるもの
8 この法律において「公共サービス実施民間事業者」とは、第二十条第一項(第二十三条において準用する場合を含む。)の契約による委託に基づいて公共サービスを実施する民間事業者をいう。
9 この法律において「法令の特例」とは、公共サービス実施民間事業者が公共サービスを実施する場合において必要とされる資格、国の行政機関等の長等若しくは地方公共団体の長による監督上の措置、規制の緩和その他の特例に関する第五章に規定する法律の特例及び政令又は主務省令により規定された事項についてのそれぞれ政令又は主務省令で規定する特例をいう。
第三条 競争の導入による公共サービスの改革は、公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立って、国の行政機関等又は地方公共団体がその事務又は事業の全体の中で自ら実施する公共サービスの全般について不断の見直しを行い、その実施について、透明かつ公正な競争の下で民間事業者の創意と工夫を適切に反映させることにより、国民のため、より良質かつ低廉な公共サービスを実現することを旨として、行うものとする。
2 前項の見直しを通じ、公共サービスのうち、国の行政機関等又は地方公共団体の事務又は事業として行う必要のないものは、廃止するものとする。
第四条 国の行政機関等は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、国の行政機関等の公共サービスに関し見直しを行い、官民競争入札若しくは民間競争入札又は廃止の対象とする公共サービスを適切に選定するほか、国の行政機関等の関与その他の規制を必要最小限のものとすることにより民間事業者の創意と工夫がその実施する公共サービスに適切に反映されるよう措置するとともに、当該公共サービスの適正かつ確実な実施を確保するために必要かつ適切な監督を行わなければならない。
2 国の行政機関は、地方公共団体の自主性及び自立性を尊重しつつ、競争の導入による公共サービスの改革に関する措置を講じようとする地方公共団体の取組を可能とする環境の整備に努めるものとする。
第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、地方公共団体の特定公共サービスに関し見直しを行い、官民競争入札又は民間競争入札を実施する場合には、その対象とする特定公共サービスを適切に選定するほか、地方公共団体の関与その他の規制を必要最小限のものとすることにより民間事業者の創意と工夫がその実施する特定公共サービスに適切に反映されるよう措置するとともに、当該特定公共サービスの適正かつ確実な実施を確保するために必要かつ適切な監督を行うものとする。
第六条 公共サービス実施民間事業者は、基本理念にのっとり、その創意と工夫を生かしつつ、業務の公共性を踏まえてこれを適正かつ確実に実施するとともに、当該公共サービスに対する国民の信頼を確保するように努めなければならない。
第七条 内閣総理大臣は、あらかじめ国の行政機関等の長等と協議して公共サービス改革基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
2 公共サービス改革基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 競争の導入による公共サービスの改革の意義及び目標に関する事項
二 競争の導入による公共サービスの改革のために政府が実施すべき施策に関する基本的な方針
三 競争の導入による公共サービスの改革に関し政府が講ずべき措置(特定公共サービスの範囲の見直しその他の法令の制定又は改廃に係る措置を含む。以下この条において同じ。)についての計画(次号に掲げるものを除く。)
四 競争の導入による公共サービスの改革に関する措置を講じようとする地方公共団体の取組を可能とする環境の整備のために政府が講ずべき措置についての計画
五 官民競争入札の対象として選定した国の行政機関等の公共サービス(以下「官民競争入札対象公共サービス」という。)の内容及びこれに伴い政府が講ずべき措置に関する事項
六 民間競争入札の対象として選定した国の行政機関等の公共サービス(以下「民間競争入札対象公共サービス」という。)の内容及びこれに伴い政府が講ずべき措置に関する事項
七 廃止の対象とする国の行政機関等の公共サービスの内容及びこれに伴い政府が講ずべき措置に関する事項
八 前各号に掲げるもののほか、競争の導入による公共サービスの改革の実施に関し必要な事項
3 内閣総理大臣は、前項第三号から第七号までに掲げる事項に係る部分の案を定めようとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、民間事業者が公共サービスに関しその実施を自ら担うことができると考える業務の範囲及びこれに関し政府が講ずべき措置について、民間事業者の意見を聴くものとする。
4 内閣総理大臣は、政令で定めるところにより、前項に規定する意見の聴取が適切に実施されるよう、国の行政機関等の長等に対し、当該国の行政機関等が実施している公共サービスに関し、その内容その他の参考となる情報の提出を求め、インターネットの利用その他適切な方法により公表するものとする。
5 内閣総理大臣は、第二項第四号に掲げる事項に係る部分の案を定めようとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、地方公共団体がその特定公共サービスに関しその実施を民間事業者に担わせることが適当と認める業務の範囲及びこれに関し政府が講ずべき措置について、地方公共団体の意見を聴くものとする。
6 内閣総理大臣は、公共サービス改革基本方針の案を定めようとするときは、官民競争入札等監理委員会(第三十七条に規定する官民競争入札等監理委員会をいう。以下第五章までにおいて同じ。)の議を経なければならない。
7 内閣総理大臣は、毎年度、公共サービス改革基本方針を見直し、必要が生じたときは、あらかじめ国の行政機関等の長等と協議して公共サービス改革基本方針の変更の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
8 内閣総理大臣は、前項の見直しに当たっては、第九条第二項第二号に規定する官民競争入札対象公共サービスの実施期間の終了又は第十四条第二項第二号に規定する民間競争入札対象公共サービスの実施期間の終了にあわせて、当該官民競争入札対象公共サービス又は民間競争入札対象公共サービスを継続させる必要性その他その業務の全般にわたる評価を行い、必要が生じたときは、あらかじめ国の行政機関等の長等と協議して公共サービス改革基本方針の変更の案を作成するものとする。
9 第三項から第六項までの規定は、第七項の公共サービス改革基本方針の変更について準用する。
10 内閣総理大臣は、第一項又は第七項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、公共サービス改革基本方針を公表しなければならない。
第八条 地方公共団体の長は、官民競争入札又は民間競争入札を実施する場合には、官民競争入札又は民間競争入札の実施に関する方針(以下「実施方針」という。)を作成するものとする。
2 実施方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 競争の導入による公共サービスの改革の意義及び目標に関する事項
二 官民競争入札の対象として選定した地方公共団体の特定公共サービスの内容
三 民間競争入札の対象として選定した地方公共団体の特定公共サービスの内容
四 前三号に掲げるもののほか、競争の導入による公共サービスの改革の実施に関し必要な事項
3 地方公共団体の長は、前項第二号及び第三号に掲げる事項に係る部分を定めようとするときは、あらかじめ、民間事業者が特定公共サービスのうちその実施を自ら担うことができると考える業務の範囲について、民間事業者の意見を聴くものとする。
4 地方公共団体の長は、前項に規定する意見の聴取が適切に実施されるよう、当該地方公共団体が実施している特定公共サービスの内容その他の参考となる情報を、インターネットの利用その他適切な方法により公表するものとする。
5 地方公共団体の長は、実施方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
第九条 国の行政機関等の長等は、公共サービス改革基本方針において官民競争入札の対象として選定された公共サービスごとに、遅滞なく(法令の制定又は改廃を要するものにあっては、その制定又は改廃後遅滞なく)、公共サービス改革基本方針に従って、官民競争入札実施要項を定めなければならない。
2 官民競争入札実施要項は、官民競争入札の実施について、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 官民競争入札対象公共サービスの詳細な内容及びその実施に当たり確保されるべき官民競争入札対象公共サービスの質に関する事項
二 官民競争入札対象公共サービスの実施期間に関する事項
三 次条に定めるもののほか、官民競争入札に参加する者に必要な資格に関する事項
四 官民競争入札に参加する者の募集に関する事項
五 官民競争入札対象公共サービスを実施する者を決定するための評価の基準その他の官民競争入札対象公共サービスを実施する者の決定に関する事項
六 官民競争入札の実施に関する事務を担当する職員と官民競争入札に参加する事務を担当する職員との間での官民競争入札の公正性を阻害するおそれがある情報の交換を遮断するための措置に関する事項
七 官民競争入札対象公共サービスに関する従来の実施状況に関する情報の開示に関する事項
八 公共サービス実施民間事業者に使用させることができる国有財産(国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二条第一項に規定する国有財産をいう。第十四条第二項第七号において同じ。)に関する事項
九 国の行政機関等の職員のうち、第三十一条第一項に規定する対象公共サービス従事者となることを希望する者に関する事項
十 公共サービス実施民間事業者が官民競争入札対象公共サービスを実施する場合において適用される法令の特例に関する事項
十一 公共サービス実施民間事業者が、官民競争入札対象公共サービスを実施するに当たり、国の行政機関等の長等に対して報告すべき事項、秘密を適正に取り扱うために必要な措置その他の官民競争入札対象公共サービスの適正かつ確実な実施の確保のために第二十条第一項の契約により公共サービス実施民間事業者が講ずべき措置に関する事項
十二 公共サービス実施民間事業者が官民競争入札対象公共サービスを実施するに当たり第三者に損害を加えた場合において、その損害の賠償に関し第二十条第一項の契約により当該公共サービス実施民間事業者が負うべき責任(国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)の規定により国の行政機関等が当該損害の賠償の責めに任ずる場合における求償に応ずる責任を含む。第十四条第二項第十号において同じ。)に関する事項
十三 官民競争入札対象公共サービスに係る第七条第八項に規定する評価に関する事項
十四 その他官民競争入札対象公共サービスの実施に関し必要な事項
3 前項第三号に規定する資格は、次に掲げる事項を考慮して当該官民競争入札対象公共サービスの適正かつ確実な実施(同項第十二号に規定する責任の履行を含む。第四号において同じ。)を確保するために必要かつ最小限のものとしなければならない。
一 知識及び能力
二 経理的基礎
三 技術的基礎
四 その他官民競争入札対象公共サービスの適正かつ確実な実施を確保する観点から必要な事項
4 第二項第七号に規定する実施状況に関する情報の開示においては、次に掲げるものを明らかにするものとする。
一 官民競争入札対象公共サービスに関する従来の実施に要した経費
二 官民競争入札対象公共サービスに関する従来の実施に要した人員
三 官民競争入札対象公共サービスに関する従来の実施に要した施設及び設備
四 官民競争入札対象公共サービスに関する従来の実施における目的の達成の程度
5 国の行政機関等の長等は、官民競争入札実施要項を定めようとするときは、官民競争入札等監理委員会の議を経なければならない。
6 国の行政機関等の長等は、官民競争入札実施要項を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
7 前二項の規定は、官民競争入札実施要項の変更について準用する。
第十条 次の各号のいずれかに該当する者は、官民競争入札に参加することができない。
一 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
三 禁
四 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下この条において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者
五 第二十二条第一項の規定により契約を解除され、その解除の日から起算して五年を経過しない者
六 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号のいずれかに該当するもの
七 法人であって、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
八 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者がその事業活動を支配する者
九 その者の親会社等(その者の経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして政令で定める者をいう。次号において同じ。)が前各号のいずれかに該当する者
十 その者又はその者の親会社等が他の業務又は活動を行っている場合において、これらの者が当該他の業務又は活動を行うことによって官民競争入札対象公共サービスの公正な実施又は当該官民競争入札対象公共サービスに対する国民の信頼の確保に支障を及ぼすおそれがある者
十一 法令の特例において定められた当該官民競争入札対象公共サービスを実施する公共サービス実施民間事業者に必要な資格の要件を満たすことができない者
十二 官民競争入札等監理委員会の委員又は当該委員と政令で定める直接の利害関係のある者
第十一条 官民競争入札に参加する民間事業者は、官民競争入札実施要項に従って、次に掲げる事項を記載した書類(当該書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして当該国の行政機関等の長等が定めるものをいう。次項において同じ。)を含む。以下同じ。)を国の行政機関等の長等に提出することにより、申込みを行うものとする。
一 官民競争入札対象公共サービスの質の維持向上に関する措置を含む官民競争入札対象公共サービスの具体的な実施体制及び実施方法
二 入札金額
2 官民競争入札に参加する国の行政機関等の長等は、官民競争入札実施要項に従って、前項第一号に掲げる事項及び人件費、物件費その他の官民競争入札対象公共サービスの実施に要する経費の金額を記載した書類(当該書類に記載すべき事項を記録した電磁的記録を含む。以下同じ。)を作成するものとする。
3 第一項の規定により申込みを受けた国の行政機関等の長等は、遅滞なく、前二項の書類の写しを官民競争入札等監理委員会に送付しなければならない。
第十二条 国の行政機関等の長等は、第九条第二項第五号に規定する評価の基準に従って、前条第一項及び第二項の書類のすべてについてその評価を行うものとする。この場合において、国の行政機関等の長等は、官民競争入札等監理委員会の議を経なければならない。
第十三条 国の行政機関等の長等は、前条の評価に従い、国の行政機関等の長等が作成した第十一条第二項の書類の内容よりも官民競争入札対象公共サービスの質の維持向上及び経費の削減を実現する上で有利な申込みをした民間事業者があった場合は、当該民間事業者のうち最も有利な申込みをした者(会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第二十九条の六第一項ただし書の場合その他最も有利な申込みをした者を落札者として決定することが不適当な場合として政令で定める場合にあっては、次に有利な者)を落札者として決定するものとする。
2 国の行政機関等の長等は、前条の評価に従い、国の行政機関等の長等が作成した第十一条第二項の書類の内容よりも官民競争入札対象公共サービスの質の維持向上及び経費の削減を実現する上で有利な申込みをした民間事業者がなかった場合は、国の行政機関等が当該官民競争入札対象公共サービスを実施することを決定するものとする。
3 国の行政機関等の長等は、前二項の規定による決定をしたときは、遅滞なく、落札者の氏名若しくは名称、落札金額、落札者の決定の理由及び申込みの内容に関する事項のうち政令で定めるもの又は国の行政機関等が官民競争入札対象公共サービスを実施することを決定した旨、その理由及び国の行政機関等の長等が作成した第十一条第二項の書類の内容に関する事項のうち政令で定めるものを公表しなければならない。
第十四条 国の行政機関等の長等は、公共サービス改革基本方針において民間競争入札の対象として選定された公共サービスごとに、遅滞なく(法令の制定又は改廃を要するものにあっては、その制定又は改廃後遅滞なく)、公共サービス改革基本方針に従って、民間競争入札実施要項を定めなければならない。
2 民間競争入札実施要項は、民間競争入札の実施について、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 民間競争入札対象公共サービスの詳細な内容及びその実施に当たり確保されるべき民間競争入札対象公共サービスの質に関する事項
二 民間競争入札対象公共サービスの実施期間に関する事項
三 次条において準用する第十条に定めるもののほか、民間競争入札に参加する者に必要な資格に関する事項
四 民間競争入札に参加する者の募集に関する事項
五 落札者を決定するための評価の基準その他の落札者の決定に関する事項
六 民間競争入札対象公共サービスに関する従来の実施状況に関する情報の開示に関する事項
七 公共サービス実施民間事業者に使用させることができる国有財産に関する事項
八 公共サービス実施民間事業者が民間競争入札対象公共サービスを実施する場合において適用される法令の特例に関する事項
九 公共サービス実施民間事業者が、民間競争入札対象公共サービスを実施するに当たり、国の行政機関等の長等に対して報告すべき事項、秘密を適正に取り扱うために必要な措置その他の民間競争入札対象公共サービスの適正かつ確実な実施の確保のために第二十条第一項の契約により公共サービス実施民間事業者が講ずべき措置に関する事項
十 公共サービス実施民間事業者が民間競争入札対象公共サービスを実施するに当たり第三者に損害を加えた場合において、その損害の賠償に関し第二十条第一項の契約により当該公共サービス実施民間事業者が負うべき責任に関する事項
十一 民間競争入札対象公共サービスに係る第七条第八項に規定する評価に関する事項
十二 その他民間競争入札対象公共サービスの実施に関し必要な事項
3 前項第三号に規定する資格は、次に掲げる事項を考慮して当該民間競争入札対象公共サービスの適正かつ確実な実施(同項第十号に規定する責任の履行を含む。第四号において同じ。)を確保するために必要かつ最小限のものとしなければならない。
一 知識及び能力
二 経理的基礎
三 技術的基礎
四 その他民間競争入札対象公共サービスの適正かつ確実な実施を確保する観点から必要な事項
4 第二項第六号に規定する実施状況に関する情報の開示については、次に掲げるものを明らかにするものとする。
一 民間競争入札対象公共サービスに関する従来の実施に要した経費
二 民間競争入札対象公共サービスに関する従来の実施に要した人員
三 民間競争入札対象公共サービスに関する従来の実施に要した施設及び設備
四 民間競争入札対象公共サービスに関する従来の実施における目的の達成の程度
5 国の行政機関等の長等は、民間競争入札実施要項を定めようとするときは、官民競争入札等監理委員会の議を経なければならない。
6 国の行政機関等の長等は、民間競争入札実施要項を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
7 前二項の規定は、民間競争入札実施要項の変更について準用する。
第十五条 第十条、第十一条第一項、第十二条並びに第十三条第一項及び第三項の規定は、国の行政機関等の長等が実施する民間競争入札について準用する。この場合において、第十二条中「第九条第二項第五号」とあるのは「第十四条第二項第五号」と、「前条第一項及び第二項」とあるのは「前条第一項」と、「その評価を行うものとする。この場合において、国の行政機関等の長等は、官民競争入札等監理委員会の議を経なければならない」とあるのは「その評価を行うものとする」と、第十三条第一項中「前条の評価に従い、国の行政機関等の長等が作成した第十一条第二項の書類の内容よりも」とあるのは「前条の評価に従い、」と、「有利な申込みをした民間事業者があった場合は、当該民間事業者のうち最も」とあるのは「最も」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第一項」と、「政令で定めるもの又は国の行政機関等が官民競争入札対象公共サービスを実施することを決定した旨、その理由及び国の行政機関等の長等が作成した第十一条第二項の書類の内容に関する事項のうち政令で定めるもの」とあるのは「政令で定めるもの」と読み替えるものとする。
第十六条 地方公共団体の長は、第八条に規定する実施方針において官民競争入札の対象として選定された地方公共団体の特定公共サービス(以下「地方公共団体官民競争入札対象公共サービス」という。)ごとに、遅滞なく、官民競争入札実施要項を定めるものとする。
2 官民競争入札実施要項は、官民競争入札の実施について、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 地方公共団体官民競争入札対象公共サービスの詳細な内容及びその実施に当たり確保されるべき地方公共団体官民競争入札対象公共サービスの質に関する事項
二 地方公共団体官民競争入札対象公共サービスの実施期間に関する事項
三 次条において準用する第十条に定めるもののほか、官民競争入札に参加する者に必要な資格に関する事項
四 官民競争入札に参加する者の募集に関する事項
五 地方公共団体官民競争入札対象公共サービスを実施する者を決定するための評価の基準その他の地方公共団体官民競争入札対象公共サービスを実施する者の決定に関する事項
六 官民競争入札の実施に関する事務を担当する職員と官民競争入札に参加する事務を担当する職員との間での官民競争入札の公正性を阻害するおそれがある情報の交換を遮断するための措置に関する事項
七 地方公共団体官民競争入札対象公共サービスに関する従来の実施状況に関する情報の開示に関する事項
八 公共サービス実施民間事業者に使用させることができる公有財産(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十八条第一項に規定する公有財産をいう。第十八条第二項第七号において同じ。)に関する事項
九 地方公共団体の職員のうち、公共サービス実施民間事業者に使用される者であって当該地方公共団体官民競争入札対象公共サービスに係る業務に従事する者となることを希望する者に関する事項
十 公共サービス実施民間事業者が地方公共団体官民競争入札対象公共サービスを実施する場合において適用される法令の特例に関する事項
十一 公共サービス実施民間事業者が、地方公共団体官民競争入札対象公共サービスを実施するに当たり、地方公共団体の長に対して報告すべき事項、秘密を適正に取り扱うために必要な措置その他の地方公共団体官民競争入札対象公共サービスの適正かつ確実な実施の確保のために第二十三条において準用する第二十条第一項の契約により公共サービス実施民間事業者が講ずべき措置に関する事項
十二 公共サービス実施民間事業者が地方公共団体官民競争入札対象公共サービスを実施するに当たり第三者に損害を加えた場合において、その損害の賠償に関し第二十三条において準用する第二十条第一項の契約により当該公共サービス実施民間事業者が負うべき責任(国家賠償法の規定により地方公共団体が当該損害の賠償の責めに任ずる場合における求償に応ずる責任を含む。第十八条第二項第十号において同じ。)に関する事項
十三 その他地方公共団体官民競争入札対象公共サービスの実施に関し必要な事項
3 前項第三号に規定する資格は、次に掲げる事項を考慮して当該地方公共団体官民競争入札対象公共サービスの適正かつ確実な実施(同項第十二号に規定する責任の履行を含む。第四号において同じ。)を確保するために必要かつ最小限のものとしなければならない。
一 知識及び能力
二 経理的基礎
三 技術的基礎
四 その他地方公共団体官民競争入札対象公共サービスの適正かつ確実な実施を確保する観点から必要な事項
4 第二項第七号に規定する実施状況に関する情報の開示においては、次に掲げるものを明らかにするものとする。
一 地方公共団体官民競争入札対象公共サービスに関する従来の実施に要した経費
二 地方公共団体官民競争入札対象公共サービスに関する従来の実施に要した人員
三 地方公共団体官民競争入札対象公共サービスに関する従来の実施に要した施設及び設備
四 地方公共団体官民競争入札対象公共サービスに関する従来の実施における目的の達成の程度
5 地方公共団体の長は、官民競争入札実施要項を定めようとするときは、第四十七条第一項に規定する合議制の機関の議を経るものとする。
6 地方公共団体の長は、官民競争入札実施要項を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
7 前二項の規定は、官民競争入札実施要項の変更について準用する。
第十八条 地方公共団体の長は、第八条に規定する実施方針において民間競争入札の対象として選定された地方公共団体の特定公共サービス(以下「地方公共団体民間競争入札対象公共サービス」という。)ごとに、遅滞なく、民間競争入札実施要項を定めるものとする。
2 民間競争入札実施要項は、民間競争入札の実施について、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 地方公共団体民間競争入札対象公共サービスの詳細な内容及びその実施に当たり確保されるべき地方公共団体民間競争入札対象公共サービスの質に関する事項
二 地方公共団体民間競争入札対象公共サービスの実施期間に関する事項
三 次条において準用する第十条に定めるもののほか、民間競争入札に参加する者に必要な資格に関する事項
四 民間競争入札に参加する者の募集に関する事項
五 落札者を決定するための評価の基準その他の落札者の決定に関する事項
六 地方公共団体民間競争入札対象公共サービスに関する従来の実施状況に関する情報の開示に関する事項
七 公共サービス実施民間事業者に使用させることができる公有財産に関する事項
八 公共サービス実施民間事業者が地方公共団体民間競争入札対象公共サービスを実施する場合において適用される法令の特例に関する事項
九 公共サービス実施民間事業者が、地方公共団体民間競争入札対象公共サービスを実施するに当たり、地方公共団体の長に対して報告すべき事項、秘密を適正に取り扱うために必要な措置その他の地方公共団体民間競争入札対象公共サービスの適正かつ確実な実施の確保のために第二十三条において準用する第二十条第一項の契約により公共サービス実施民間事業者が講ずべき措置に関する事項
十 公共サービス実施民間事業者が地方公共団体民間競争入札対象公共サービスを実施するに当たり第三者に損害を加えた場合において、その損害の賠償に関し第二十三条において準用する第二十条第一項の契約により当該公共サービス実施民間事業者が負うべき責任に関する事項
十一 その他地方公共団体民間競争入札対象公共サービスの実施に関し必要な事項
3 前項第三号に規定する資格は、次に掲げる事項を考慮して当該地方公共団体民間競争入札対象公共サービスの適正かつ確実な実施(同項第十号に規定する責任の履行を含む。第四号において同じ。)を確保するために必要かつ最小限のものとしなければならない。
一 知識及び能力
二 経理的基礎
三 技術的基礎
四 その他地方公共団体民間競争入札対象公共サービスの適正かつ確実な実施を確保する観点から必要な事項
4 第二項第六号に規定する実施状況に関する情報の開示については、次に掲げるものを明らかにするものとする。
一 地方公共団体民間競争入札対象公共サービスに関する従来の実施に要した経費
二 地方公共団体民間競争入札対象公共サービスに関する従来の実施に要した人員
三 地方公共団体民間競争入札対象公共サービスに関する従来の実施に要した施設及び設備
四 地方公共団体民間競争入札対象公共サービスに関する従来の実施におけるの目的の達成の程度
5 地方公共団体の長は、民間競争入札実施要項を定めようとするときは、第四十七条第一項に規定する合議制の機関の議を経るものとする。
6 地方公共団体の長は、民間競争入札実施要項を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
7 前二項の規定は、民間競争入札実施要項の変更について準用する。
第十九条 第十条、第十一条第一項、第十二条並びに第十三条第一項及び第三項の規定は、地方公共団体の長が実施する民間競争入札について準用する。この場合において、第十条第五号中「第二十二条第一項」とあるのは「第二十三条において準用する第二十二条第一項」と、同条第十二号中「官民競争入札等監理委員会」とあるのは「第四十七条第一項に規定する合議制の機関」と、第十二条中「第九条第二項第五号」とあるのは「第十八条第二項第五号」と、「前条第一項及び第二項」とあるのは「前条第一項」と、「その評価を行うものとする。この場合において、国の行政機関等の長等は、官民競争入札等監理委員会の議を経なければならない」とあるのは「その評価を行うものとする」と、第十三条第一項中「前条の評価に従い、国の行政機関等の長等が作成した第十一条第二項の書類の内容よりも」とあるのは「前条の評価に従い、」と、「有利な申込みをした民間事業者があった場合は、当該民間事業者のうち最も有利な申込みをした者(会計法#a29.6|会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第二十九条の六第一項]]ただし書の場合その他最も」とあるのは「最も有利な申込みをした者(最も」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第一項」と、「政令で定めるもの又は国の行政機関等が官民競争入札対象公共サービスを実施することを決定した旨、その理由及び国の行政機関等の長等が作成した第十一条第二項の書類の内容に関する事項のうち政令で定めるもの」とあるのは「規則で定めるもの」と読み替えるものとする。
第二十条 国の行政機関等の長等は、第十三条第一項(第十五条において準用する場合を含む。)の規定により民間事業者を落札者として決定した場合には、官民競争入札実施要項又は民間競争入札実施要項及び申込みの内容に従い、書面により、官民競争入札対象公共サービス又は民間競争入札対象公共サービス(以下「対象公共サービス」という。)の実施に関する契約を締結し、当該対象公共サービスの実施を委託するものとする。
2 国の行政機関等の長等は、前項の契約を締結したときは、遅滞なく、当該契約の相手方の氏名又は名称及び当該契約の内容に関する事項のうち政令で定めるものを公表しなければならない。
第二十一条 国の行政機関等の長等及び公共サービス実施民間事業者は、対象公共サービスを改善するため、又はやむを得ない事由がある場合には、協議により、前条第一項の契約を変更することができる。
2 国の行政機関等の長等は、前項の規定により契約を変更しようとするときは、官民競争入札等監理委員会の議を経なければならない。
3 国の行政機関等の長等は、前二項の規定により契約を変更したときは、遅滞なく、当該契約の変更の内容に関する事項のうち政令で定めるものを公表しなければならない。
第二十二条 国の行政機関等の長等は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、第二十条第一項の契約を解除することができる。
一 公共サービス実施民間事業者が次のいずれかに該当するとき。
イ 偽りその他不正の行為により落札者となったとき。
ロ 第九条第二項第三号若しくは第十条(第十一号を除く。)の規定による官民競争入札に参加する者に必要な資格の要件又は第十四条第二項第三号若しくは第十五条において準用する第十条(第十一号を除く。)の規定による民間競争入札に参加する者に必要な資格の要件を満たさなくなったとき。
ハ 法令の特例において定められた当該対象公共サービスを実施する公共サービス実施民間事業者に必要な資格の要件を満たさなくなったとき。
ニ 第二十条第一項の契約に従って対象公共サービスを実施できなかったとき、又はこれを実施することができないことが明らかになったとき。
ホ ニに掲げる場合のほか、第二十条第一項の契約において定められた事項について重大な違反があったとき。
ヘ 第二十六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
ト 第二十七条第一項の規定による指示に違反したとき。
チ 法令の特例において定められた当該対象公共サービスに係る契約の解除の事由に該当したとき。
二 公共サービス実施民間事業者(その者が法人である場合にあっては、その役員)又はその職員その他の対象公共サービスに従事する者が、第二十五条第一項の規定に違反して、対象公共サービスの実施に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用したとき。
2 国の行政機関等の長等は、前項の規定により契約を解除するときは、前章に定めるところによる新たな官民競争入札若しくは民間競争入札の実施又は国の行政機関等が対象公共サービスを実施する措置その他の当該対象公共サービスの適正かつ確実な実施を確保するために必要な措置を講ずるものとする。
3 国の行政機関等の長等は、前項の規定による措置を講じようとするときは、官民競争入札等監理委員会の議を経なければならない。
4 国の行政機関等の長等は、前二項の規定による措置を講じたときは、遅滞なく、その旨、その内容及びその理由を公表しなければならない。
第二十三条 前三条の規定は、地方公共団体官民競争入札対象公共サービス及び地方公共団体民間競争入札対象公共サービスについて準用する。この場合において、第二十条第一項中「第十三条第一項(第十五条において準用する場合を含む。)」とあるのは「第十七条及び第十九条において準用する第十三条第一項」と、同条第二項及び第二十一条第三項中「政令」とあるのは「規則」と、同条第二項及び前条第三項中「官民競争入札等監理委員会」とあるのは「第四十七条第一項に規定する合議制の機関」と、同条第一項第一号ロ中「第九条第二項第三号若しくは第十条」とあるのは「第十六条第二項第三号若しくは第十七条において準用する第十条」と、「第十四条第二項第三号若しくは第十五条」とあるのは「第十八条第二項第三号若しくは第十九条」と、同号ヘ中「第二十六条第一項」とあるのは「第二十八条において準用する第二十六条第一項」と、同号ト中「第二十七条第一項」とあるのは「第二十八条において準用する第二十七条第一項」と、同項第二号中「対象公共サービス」とあるのは「地方公共団体官民競争入札対象公共サービス若しくは地方公共団体民間競争入札対象公共サービス」と読み替えるものとする。
第二十四条 公共サービス実施民間事業者は、第二十条第一項(前条において準用する場合を含む。)の契約に従って、官民競争入札対象公共サービス、民間競争入札対象公共サービス、地方公共団体官民競争入札対象公共サービス又は地方公共団体民間競争入札対象公共サービスを実施しなければならない。
第二十五条 公共サービス実施民間事業者(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員その他の前条の公共サービスに従事する者又はこれらの者であった者は、当該公共サービスの実施に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
2 前条の公共サービスに従事する者は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第二十六条 国の行政機関等の長等は、公共サービス実施民間事業者による対象公共サービスの適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、当該公共サービス実施民間事業者に対し、対象公共サービスの実施の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に当該公共サービス実施民間事業者の事務所に立ち入り、当該対象公共サービスの実施の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
4 国の行政機関等の長等は、第一項の規定による措置を講じたときは、当該措置の内容及び当該措置を講ずることとした理由を、遅滞なく、官民競争入札等監理委員会に通知しなければならない。
第二十七条 国の行政機関等の長等は、公共サービス実施民間事業者による対象公共サービスの適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、当該公共サービス実施民間事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
第二十九条 公共サービス実施民間事業者が実施する公共サービスについては、法令の特例を適用する。
第三十条 国が対象公共サービスについて債務を負担する場合には、当該債務を負担する行為により支出すべき年限は、当該会計年度以降十箇年度以内とする。
第三十一条 国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)第二条第一項に規定する職員(以下この項において「職員」という。)のうち、国の行政機関等の長等が第二十条第一項の契約を締結した日の翌日から当該契約に係る対象公共サービスの第九条第二項第二号に規定する実施期間又は第十四条第二項第二号に規定する実施期間(以下この項において「実施期間」という。)の初日以後一年を経過する日までの期間内に、任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて当該対象公共サービスを実施する公共サービス実施民間事業者に使用される者(当該対象公共サービスに係る業務に従事するものに限る。以下この項において「対象公共サービス従事者」という。)となるための退職(同法第四条第一項又は第五条第一項の規定に該当する退職に限る。次項において「特定退職」という。)をし、かつ、引き続き対象公共サービス従事者として在職した後引き続いて実施期間の末日の翌日までに再び職員となった者(以下この条において「再任用職員」という。)が退職した場合におけるその者に対する同法第二条の三の規定による退職手当に係る同法第七条第一項の規定による在職期間の計算については、先の職員としての在職期間は、後の職員としての在職期間に引き続いたものとみなす。
2 再任用職員が退職した場合におけるその者に対する国家公務員退職手当法第二条の三の規定による退職手当の額の計算の基礎となる同法第五条の二第二項に規定する基礎在職期間(以下この項において「基礎在職期間」という。)には、同条第二項の規定にかかわらず、特定退職に係る退職手当(以下この条において「先の退職手当」という。)の額の計算の基礎となった基礎在職期間を含むものとする。
3 再任用職員が退職した場合におけるその者に対する国家公務員退職手当法第二条の三の規定による退職手当の額は、第一号に規定する法律の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、同号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除して得た額とする。ただし、その額が第三号に掲げる額より少ないときは、同号に掲げる額とする。
一 国家公務員退職手当法第二条の三から第六条の四まで及び附則第二十一項から第二十三項まで、国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律(昭和三十四年法律第百六十四号)附則第三項、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第三十号)附則第五項から第八項まで、国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律(平成十五年法律第六十二号)附則第四項並びに国家公務員退職手当法の一部を改正する法律(平成十七年法律第百十五号)附則第三条から第六条までの規定により計算した額
二 再任用職員が支給を受けた先の退職手当の額と当該先の退職手当の支給を受けた日の翌日から退職した日の前日までの期間に係る利息に相当する額を合計した額
4 前三項の規定は、再任用職員の退職前に、その者について、国家公務員退職手当法第十二条の規定により先の退職手当を支給しないこととなったとき、又は同法第十二条の三第一項の規定により先の退職手当を返納させることとなったときは、適用しない。
5 再任用職員が退職し、その者に対しまだ当該退職に係る退職手当(その額を第三項本文の規定により計算するものに限る。次項において同じ。)が支払われていない場合において、その者について、国家公務員退職手当法第十二条の規定により先の退職手当を支給しないこととなったとき、又は同法第十二条の三第一項の規定により先の退職手当を返納させることとなったときは、第三項本文の規定により計算した額から同項第三号に掲げる額を控除して得た額(次項において「特例加算額」という。)は、支給しない。
6 再任用職員が退職し、その者に対し当該退職に係る退職手当の支給をした後において、その者について、国家公務員退職手当法第十二条の規定により先の退職手当を支給しないこととなったとき、又は同法第十二条の三第一項の規定により先の退職手当を返納させることとなったときは、同法第十二条の二第一項に規定する各省各庁の長等は、特例加算額に相当する額の全部又は一部を返納させることができる。この場合においては、同法第十二条の三第二項の規定を準用する。
第三十二条 次に掲げる公共職業安定所の業務(以下この条において「特定業務」という。)を実施する公共サービス実施民間事業者であって特定業務を実施する施設において職業紹介事業を行うものは、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十条第一項の許可を受けた者でなければならない。
一 事業の経営管理に係る業務又は技術的及び専門的な知識を必要とする業務に就く職業に就職を希望する四十歳以上の者を専ら対象とする施設において行う職業紹介、職業指導及びこれらに付随する業務
二 事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務に就く職業に就職を希望する四十五歳以上六十歳未満の者その他厚生労働省令で定める者を専ら対象とし、職業の選択及び労働市場の状況に関する理解を深めさせることにより就職活動を行う意欲を増進することを目的とする施設において行う職業指導及びこれに付随する業務
2 前項の公共サービス実施民間事業者が、特定業務を実施する施設において職業紹介事業を行う場合において当該職業紹介事業に関し国以外の者から手数料又は報酬を受けないときは、当該職業紹介事業については、職業安定法第三十二条の十一の規定は適用しない。
3 前二項に定めるもののほか、公共サービス実施民間事業者による特定業務の実施に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第三十三条 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第八十七条第一項に規定する保険料(以下この条において「保険料」という。)の収納に関する業務のうち次に掲げるもの(以下この条において「特定業務」という。)を実施する公共サービス実施民間事業者は、併せて被保険者の委託を受けて保険料の納付に関する業務(以下この条において「納付受託業務」という。)を実施するものとする。
一 国民年金法第八十八条の規定により保険料を納付する義務を負う者であって、保険料を納期限までに納付しないもの(以下この条において「保険料滞納者」という。)に対し、保険料が納期限までに納付されていない事実の通知及び納付されていない理由の確認を行う業務
二 保険料滞納者に対し、面接その他の方法により保険料の納付の勧奨及び請求を行う業務
三 第一号の規定により確認した理由その他の前二号の業務の実施状況を、厚生労働省令で定めるところにより、社会保険庁長官に報告する業務
2 前項の公共サービス実施民間事業者は、納付受託業務を適正かつ確実に実施することができると認められる者として厚生労働省令で定める要件に該当するものでなければならない。
3 前項の公共サービス実施民間事業者については、国民年金法第九十二条の三第一項第二号の規定による指定を受けた者とみなして、同条第三項から第五項まで並びに同法第九十二条の四及び第九十二条の五の規定を適用する。この場合において、同法第九十二条の三第三項中「第一項第二号の規定による指定をしたときは」とあるのは「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(平成十八年法律第五十一号)第三十三条第一項に規定する特定業務の実施について同法第二十条第一項の契約を締結したときは」と、同法第九十二条の四第一項中「前条第一項」とあるのは「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律第三十三条第一項」とする。
4 第二項の公共サービス実施民間事業者が実施する第一項第二号に規定する保険料の納付の請求の業務については、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第七十二条の規定は適用しない。
5 公共サービス実施民間事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、その実施する特定業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
6 公共サービス実施民間事業者が実施する特定業務に従事する者(以下この条において「特定業務従事者」という。)は、面接の方法により第一項第二号に掲げる業務を行うに当たり、社会保険庁長官が発行するその身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
7 特定業務従事者は、特定業務を実施するに当たり、人を威迫し又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない。
8 公共サービス実施民間事業者は、特定業務を実施するに当たり、偽りその他不正の手段を用いることその他の保険料滞納者の保護に欠け、又は特定業務の適正を害するおそれがあるものとして厚生労働省令で定める行為をしてはならない。
9 社会保険庁長官は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、第二十条第一項の契約を解除することができる。
一 公共サービス実施民間事業者が、第五項の規定に違反して、帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類を作成したとき。
二 特定業務従事者が、第六項の規定に違反して、証明書を携帯せず、又はこれを提示しなかったとき。
三 特定業務従事者が、第七項の規定に違反したとき。
四 公共サービス実施民間事業者が、前項の規定に違反して、同項の厚生労働省令で定める行為を行ったとき。
五 公共サービス実施民間事業者が、納付受託業務について、次のいずれかに該当するとき。
イ 第三項の規定により適用される国民年金法第九十二条の四第二項又は第九十二条の五第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
ロ 第三項の規定により適用される国民年金法第九十二条の五第一項の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。
ハ 第三項の規定により適用される国民年金法第九十二条の五第三項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
10 前各項に定めるもののほか、公共サービス実施民間事業者による特定業務及び納付受託業務の実施に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第三十四条 地方公共団体は、次に掲げる当該地方公共団体の業務を、官民競争入札又は民間競争入札の対象とすることができる。
一 戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第十条第一項の規定に基づく同項の戸籍の謄本若しくは抄本若しくは戸籍に記載した事項に関する証明書若しくは同法第百十七条の四第一項の磁気ディスクをもって調製された戸籍に記録されている事項の全部若しくは一部を証明した書面(以下この号において「戸籍謄本等」という。)の交付(当該戸籍に記載され、又は記録されている者に対するものに限る。)又は同法第十二条の二第一項の規定に基づく同項の除かれた戸籍の謄本若しくは抄本若しくは除かれた戸籍に記載した事項に関する証明書若しくは同法第百十七条の四第一項の磁気ディスクをもって調製された除かれた戸籍に記録されている事項の全部若しくは一部を証明した書面(以下この号において「除籍謄本等」という。)の交付(当該除かれた戸籍に記載され、又は記録されている者に対するものに限る。)の請求の受付及び当該請求に係る戸籍謄本等又は除籍謄本等の引渡し
二 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第二十条の十の規定に基づく同条の証明書(以下この号において「納税証明書」という。)の交付の請求の受付及び当該請求に係る納税証明書の引渡し
三 外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号)第四条の三第二項の規定に基づく同項の登録原票の写し又は登録原票記載事項証明書(以下この号において「登録原票の写し等」という。)の交付の請求の受付及び当該請求に係る登録原票の写し等の引渡し
四 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第十二条第一項の規定に基づく同項の住民票の写し又は住民票記載事項証明書(以下この号において「住民票の写し等」という。)の交付の請求の受付及び当該請求に係る住民票の写し等の引渡し
五 住民基本台帳法第二十条第一項の規定に基づく同項の戸籍の附票の写し(以下この号において「戸籍の附票の写し」という。)の交付(当該戸籍の附票に記載されている者に対するものに限る。)の請求の受付及び当該請求に係る戸籍の附票の写しの引渡し
六 市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長とする。)が作成する印鑑に関する証明書(以下この号において「印鑑登録証明書」という。)の交付(当該印鑑登録証明書に記載されている者に対するものに限る。)の請求の受付及び当該請求に係る印鑑登録証明書の引渡し
2 前項各号に掲げる業務(以下この条において「特定業務」という。)を実施する公共サービス実施民間事業者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する者でなければならない。
一 その人的構成に照らして、特定業務を適正かつ確実に実施することができる知識及び能力を有していること。
二 特定業務を適正かつ確実に実施するために必要な施設及び設備として総務省令・法務省令で定める施設及び設備を備えていること。
三 個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他特定業務を適正かつ確実に実施するために必要な措置として総務省令・法務省令で定める措置が講じられていること。
四 その他総務省令・法務省令で定める要件に適合するものであること。
3 地方公共団体は、第二十三条において準用する第二十条第一項の契約(以下この条において単に「契約」という。)を締結しようとするときは、あらかじめ、当該地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
4 地方公共団体は、第二十三条において準用する第二十条第二項の規定にかかわらず、契約を締結したときは、その旨、当該契約の相手方となる公共サービス実施民間事業者の氏名又は名称、当該公共サービス実施民間事業者が実施する特定業務の内容及びその期間を、遅滞なく、告示しなければならない。
5 地方公共団体が、第二十三条において準用する第二十一条第一項の規定により契約を変更する場合又は協議により契約を解除する場合には、前二項の規定を準用する。
6 地方公共団体の長は、公共サービス実施民間事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、期間を定めて、その実施する特定業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
7 地方公共団体の長は、第二十三条において準用する第二十二条第一項の規定により契約を解除したときは、同条第四項の規定にかかわらず、その旨、その理由及び当該公共サービス実施民間事業者の氏名又は名称を、遅滞なく、告示し、前項の規定により特定業務の全部又は一部の停止を命じたときは、その旨、その理由、当該公共サービス実施民間事業者の氏名又は名称並びに当該停止を命じた特定業務の内容及びその期間を、第四十七条第一項に規定する合議制の機関に通知するとともに、遅滞なく、告示しなければならない。
8 公共サービス実施民間事業者は、特定業務取扱事業所(公共サービス実施民間事業者が特定業務を取り扱う事業所をいう。)に勤務する者が特定業務に関して知り得た情報を当該特定業務の取扱い以外の目的のために利用することを防止するために、必要な措置を講じなければならない。
9 前各項に定めるもののほか、公共サービス実施民間事業者による特定業務の実施に関し必要な事項のうち、第一項第二号、第四号又は第六号に掲げる業務に係るものについては総務省令で、同項第一号又は第三号に掲げる業務に係るものについては法務省令で、同項第五号に掲げる業務に係るものについては総務省令・法務省令で定める。
第三十五条 国の行政機関等は、第十三条第二項の場合においては、官民競争入札実施要項及び当該国の行政機関等の長等が作成した第十一条第二項の書類の内容に従って、官民競争入札対象公共サービスを実施するものとする。
第三十七条 国の行政機関等の公共サービスに係る官民競争入札の実施その他の競争の導入による公共サービスの改革の実施の過程について、その透明性、中立性及び公正性を確保するため、内閣府に、官民競争入札等監理委員会(以下「委員会」という。)を置く。
第三十八条 委員会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。
2 委員会は、前項の規定によりその権限に属させられた事項に関し、内閣総理大臣又は内閣総理大臣を通じて関係する国の行政機関等の長等に対し、必要な勧告をすることができる。
3 委員会は、前項の規定による勧告をしたときは、遅滞なく、その勧告の内容を公表しなけれ ばならない。
4 内閣総理大臣又は関係する国の行政機関等の長等は、第二項の規定による勧告に基づき講じた措置について委員会に通知しなければならない。この場合において、関係する国の行政機関等の長等が行う通知は、内閣総理大臣を通じて行うものとする。
第三十九条 委員会は、委員十三人以内をもって組織する。
2 委員は、非常勤とする。
第四十条 委員は、公共サービスに関して優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
第四十一条 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
3 委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。
第四十二条 委員会に、委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
第四十三条 委員会に、専門の事項を調査審議させるため、専門委員を置くことができる。
2 専門委員は、学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
3 専門委員は、当該専門の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。
4 専門委員は、非常勤とする。
第四十四条 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。
2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。
3 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。
第四十五条 委員会は、その所掌事務を遂行するため必要な限度において、官民競争入札若しくは民間競争入札を実施する国の行政機関等又は公共サービス実施民間事業者に対して、報告又は資料の提出を求めることができる。
第四十六条 この法律に定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。
第四十七条 地方公共団体は、地方公共団体の長が官民競争入札又は民間競争入札を実施する場合には、当該地方公共団体の特定公共サービスに係る官民競争入札の実施その他の競争の導入による公共サービスの改革の実施の過程について、その透明性、中立性及び公正性を確保するため、当該地方公共団体の条例で定めるところにより、公共サービスに関して優れた識見を有する者により構成される審議会その他の合議制の機関(次項において「合議制の機関」という。)を置くものとする。
2 合議制の機関の組織及び運営に関し必要な事項は、当該地方公共団体の条例で定める。
第四十八条 国は、第二十四条の規定により公共サービス実施民間事業者が実施することとなる官民競争入札対象公共サービスの実施に従事していた職員を、定員の範囲内において、他の官職(他の国の行政機関に属する官職を含む。)に任用することの促進その他の競争の導入による公共サービスの改革を円滑に推進するための措置を講ずるよう努めるものとする。
第四十九条 国の行政機関の長は、政令で定めるところにより、当該国の行政機関所属の職員又は他の国の行政機関所属の職員に、官民競争入札又は民間競争入札に関する事務を委任することができる。
第五十条 この法律のいかなる規定も、国の行政機関の長が実施する官民競争入札及び民間競争入札に対する会計法第四章の規定の適用を妨げるものと解釈してはならない。
第五十一条 この法律のいかなる規定も、地方公共団体の長が実施する官民競争入札及び民間競争入札に対する地方自治法第二編第九章第六節の規定の適用を妨げるものと解釈してはならない。
第五十二条 この法律における主務省令は、当該事項について規定する法律及び法律に基づく命令(公正取引委員会規則、国家公安委員会規則、公害等調整委員会規則、公安審査委員会規則、中央労働委員会規則及び船員中央労働委員会規則を除く。)を所管する内閣府又は各省の内閣府令又は省令とする。ただし、公正取引委員会、国家公安委員会、公害等調整委員会、公安審査委員会、中央労働委員会又は船員中央労働委員会の所管に係る事項については、それぞれ公正取引委員会規則、国家公安委員会規則、公害等調整委員会規則、公安審査委員会規則、中央労働委員会規則又は船員中央労働委員会規則とする。
第五十三条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施に関し必要な事項は、政令で定める。
第五十四条 第二十五条第一項の規定に違反して、第二十四条の公共サービスの実施に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第五十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第二十六条第一項(第二十八条において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第五十六条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の刑を科する。
附則
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 政府は、この法律の施行後五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
3 内閣府設置法の一部を次のように改正する。
第四条第三項第三号の三の次に次の一号を加える。
三の四 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律(平成十八年法律第五十一号)第七条第一項に規定する公共サービス改革基本方針の策定並びに官民競争入札及び民間競争入札の実施の監理に関すること。
第三十七条第三項の表民間資金等活用事業推進委員会の項の次に次のように加える。
官民競争入札等監理委員会
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競争の導入による公共サービスの改革に関する法律
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- 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
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