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  • まじろがざる底(てい)の勇が、何とも惨めにちっぽけなことかと思うのである。 許(きょ)から葉(しょう)へと出る途すがら、子路が独り孔子の一行に遅れて畑中の路を歩いて行くと、蓧(あじか)を荷(にの)うた一人の老人に会った。子路が気軽に会釈して、夫子を見ざりしや、と問う。老人は立ち止まって、「夫子夫子と…
    78キロバイト (15,875 語) - 2020年11月3日 (火) 00:45
  •  三方林で囲まれ、南が開いて余所の畑とつづいている。北が高く南が低い傾斜になっている。母の推察通り、棉は末にはなっているが、風が吹いたら溢れるかと思うほど棉はえんでいる。点々として畑中白くなっているその棉に朝日がさしていると目ぶしい様に綺麗だ。 「まアよくえんでること。今日採りにきてよい事しました」…
    99キロバイト (20,856 語) - 2019年11月18日 (月) 16:55
  • 菊のはな机のうへにさしてみむそのふに遊ぶいとまなければ この秋はいかなる野べに旅寐していくさならしのわざをみるべき 綿の實もやゝゑみそめて畑中のくぬぎの林色づきにけり 田家時雨 おほねほすしづが垣根の夕日影にはかにきえて時雨ふるなり 落葉 さしわたる日影にとくる朝霜のしづくと共にちる紅葉かな…
    173キロバイト (37,495 語) - 2023年8月19日 (土) 05:11
  • をした。ついでにどことかでは家がまるで流されてしまって、そうしてその家の宝物がどことかから掘り出されたと云う話もした。この下女は伊東の生れで、浜辺か畑中に立って人を呼ぶような大きな声を出す癖のあるすこぶる殺風景な女であったが、雨に鎖(とざ)された山の中の宿屋で、こういう昔の物語めいた、嘘(うそ)か真…
    207キロバイト (40,023 語) - 2023年10月17日 (火) 13:43
  •  陸(くが)は母と保との浜松へ往った後(のち)も、亀沢町の家で長唄の師匠をしていた。この家には兵庫屋から帰った水木(みき)が同居していた。勝久は水木の夫であった畑中藤次郎(はたなかとうじろう)を頼もしくないと見定めて、まだ脩が浜松に往かぬ先に相談して、水木を手元へ連れ戻したのである。…
    642キロバイト (126,753 語) - 2022年3月23日 (水) 18:11
  • ソンは松原というところで落馬して、その馬だけが走り去った。薩摩方の武士は落馬した異人の深手(ふかで)に苦しむのを見て、六人ほどでその異人の手を取り、畑中へ引き込んだという。傷つきのがれた三人のうち、あるものは左の肩を斬(き)られ、あるものは頭部へ斬りつけられ、一番無事な婦人も帽子と髪の毛の一部を斬ら…
    704キロバイト (133,425 語) - 2019年9月29日 (日) 05:04