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  • 金色夜叉 作者:尾崎紅葉 書誌情報 姉妹プロジェクト:Wikipediaの記事, データ項目 書誌情報の詳細は議論ページをご覧ください。  未(ま)だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠(さしこ)めて、真直(ますぐ)に長く東より西に横(よこた)はれる大道(だいどう)は掃きたるやうに物の影を留(とど)めず、…
    1.02メガバイト (208,408 語) - 2024年1月28日 (日) 21:05
  • るかと思われ、既に歪(ゆが)みて隙間(すきま)よりは鉤(つり)ランプの笠など見ゆ。肌脱(はだぬぎ)の荒くれ男の影鬼の如く映れるあり、乱髪の酌婦の頭の夜叉の如く映るかと思えば、床も落つると思わるる音(ね)が為(し)て、ドッとばかり笑声(しょうせい)の起る家もあり。「飲めよ」、「歌えよ」、「殺すぞ」、「…
    34キロバイト (7,042 語) - 2021年8月31日 (火) 22:34
  • 来て、戸を明けようとすると堅くとざされている。思い切って、戸をこじ明けてはいってみると、部屋のうちには怖ろしい物の影が見えた。 それはおそらく鬼とか夜叉(やしゃ)とかいうのであろう。からだは藍(あい)のような色をして、その眼は円く晃(ひか)っていた。その歯は鑿(のみ)のように見えた。その異形(いぎょ…
    54キロバイト (11,390 語) - 2019年9月12日 (木) 12:46
  • たう)! おゝ、造化主(ざうくわしゅ)よ、あのやうな可憐(いと)しらしい人間(にんげん)の肉體(にくたい)にすら夜叉(やしゃ)の魂(たましひ)を宿(やど)らせたなら、地獄(ぢごく)の夜叉(やしゃ)の肉體(からだ)には何者(なにもの)を住(す)ませうとや? あんな内容(なかみ)にあのやうな表紙(へう…
    465キロバイト (66,202 語) - 2023年10月17日 (火) 13:35
  • ど、おいそがしき由え、今宵は御遠慮申し上げまいらせ候、かしく 茶屋の女は言われるままに、又も雪之丞の楽屋をおとずれねばならなかった。 もうすっかり滝夜叉の出の支度をしていた雪之丞は、結び文を一瞥(いちべつ)したが、この刹那、彼の顔いろは、濃い舞台化粧の奥で、サーッと変ったように思われた。 「このお女中、この手紙を置いて帰られたか?」…
    98キロバイト (18,387 語) - 2019年3月1日 (金) 06:30
  • ふ人なりとて大方加恩をうくるそれを見きいて平井の諸侍老若ともにさだちうきそゞろに一汁(じう)一菜(さい)の法度をも破り右五人の白拍子のこでわき共に菊夜叉(きくやしや)桔梗(きゝやう)、花をしまなどゝいふ女どもをかなたこなたへ引まはる平井の侍悉く不弁して召遣ふ者共に無足をさすれば上杉家に盗人(ぬすひと…
    297バイト (13,369 語) - 2024年2月2日 (金) 17:54
  • もりだから、先生にも是非御臨席を願いたいって。それから僕が今度も近松の世話物をやるつもりかいと聞くと、いえこの次はずっと新しい者を撰(えら)んで金色夜叉(こんじきやしゃ)にしましたと云うから、君にゃ何の役が当ってるかと聞いたら私は御宮(おみや)ですといったのさ。東風(とうふう)の御宮は面白かろう。僕…
    1.06メガバイト (208,385 語) - 2022年11月4日 (金) 04:57
  • 置いて物を見よ」とて、中差、鏑矢一おつ取り添へて、弓杖突き、一番の谷を走り上がりて、細谷河の水上を渡り、敵の後ろの小暗き所より狙ひ寄りて見れば、枝は夜叉の頭の如くなる臥木有り。づと登り上がりて見れば、左手に相付けて、矢先に射よげにぞ見えたりける。三人張に十三束三つ伏取つて矧げ、思ふ様に打ち引きて、鏑…
    482キロバイト (112,842 語) - 2023年1月24日 (火) 19:22
  • らみ廻りて、天晴、敵もがなと窺ふ処に、大塚権太夫、善兵衛が首を取つて、引退く処を見て、其首返せといふ儘に、馬を乗放し、鑓追取つて追懸けければ、飛行く夜叉神の荒れ渡るも、斯くやあらんと、血気の勇者にぞ見えにける。一柳、之を見て、あれ討たすなと下知すれば、五騎押並んで突き来る。岐阜方よりも、続けやとて、…
    3キロバイト (116,548 語) - 2024年2月3日 (土) 18:43