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爆發物取締罰則

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○第三拾貳號

爆發物取締罰則別册ノ通制定ス

右奉  勅旨布吿候事

明治十七年十二月二十七日

太政大臣 公 爵 三 條 實 美

内 務 卿 伯 爵 山 縣 有 朋

司 法 卿 伯 爵 山 田 顯 義

(別册)

爆發物取締罰則

第一條  治安ヲ妨ケ又ハ人ノ身體財產ヲ害セントスルノ目的ヲ以テ爆發物ヲ使用シタル及ヒ人ヲシテ之ヲ使用セシメタルハ死刑又ハ無期若クハ七年以上ノ役又ハ禁錮ニ處ス

第二條  前條ノ目的ヲ以テ爆發物ヲ使用セントスルノ際發覺シタルハ無期若クハ五年以上ノ役又ハ禁錮ニ處ス

第三條 第一條ノ目的ヲ以テ爆發物若クハ其使用ニ供ス可キ具ヲ製造輸入所持シ又ハ注文ヲ爲シタルハ三年以上十年以下ノ役又ハ禁錮ニ處ス

第四條  第一條ノ罪ヲ犯サントシテ脅迫敎唆煽動ニ止ル及ヒ共謀ニ止ルハ三年以上十年以下ノ役又ハ禁錮ニ處ス

第五條  第一條ニ記載シタル犯罪ノ爲メ情ヲ知テ爆發物若クハ其使用ニ供ス可キ具ヲ製造輸入販賣讓與寄藏シ及ヒ其約束ヲ爲シタルハ三年以上十年以下ノ役又ハ禁錮ニ處ス

第六條  爆發物ヲ製造輸入所持シ又ハ注文ヲ爲シタル第一條ニ記載シタル犯罪ノ目的ニアラサルコトヲ證明スルコト能ハサル時ハ六月以上五年以下ノ役ニ處ス

第七條  爆發物ヲ發見シタルハ直ニ警察官吏ニ吿知ス可シ違フハ百圓以下ノ罰金ニ處ス

第八條  第一條乃至第五條ノ犯罪アルコトヲ認知シタル時ハ直ニ警察官吏若クハ危害ヲ被ムラントスル人ニ吿知ス可シ違フハ五年以下ノ役又ハ禁錮ニ處ス

第九條  第一條乃至第五條ノ犯罪ヲ藏匿シ若クハ隱避セシメ又ハ其罪證ヲ湮滅シタルハ十年以下ノ役又ハ禁錮ニ處ス

第十一條  第一條ニ記載シタル犯罪ノ豫備陰謀ヲ爲シタルト雖モ未タ其事ヲ行ハサル前ニ於テ官ニ自首シ因テ危害ヲ爲スニ至ラサル時ハ其刑ヲ除ス第五條ニ記載シタル犯罪モ亦同シ

第十二條  本則ニ記載シタル犯罪刑法ニ照シ仍ホ重キハ重キニ從テ處斷ス

この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。