新体詩抄/シェークスピール氏ハムレット中の一段(尚今居士)
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シエークスピール氏ハムレッツト中の一段
[編集]尚今居士
ながらふべきか但し又 | ながらふべきに非るか |
爰が思案のしどころぞ | 運命いかにつたなきも |
これに堪ふるが |
又さはあらで海よりも |
深き遺恨に手向ふて | 之を晴らすがものゝふか |
どふも心に落ちかぬる | 扠も死なんか死ぬるのハ |
眠ると同じ眠る間は | 心痛のみか肉體の |
あらゆるうきめ打捨つる | 是ぞ望のはてならん |
アヽしぬ、ねむる、ねむる時 | 萬が一ゆめみるならば |
ハアこだわりが有るやうぢや | なぜと曰ふに死に眠り |
無常の風にさそはれて | 此娑婆離れしまふとも |
いかなる夢のきたるやら | ハテ疑の晴れぬもの |
うき事長く忍ぶのも | これが為めかな、なぜなれば |
九寸五分さへ持ちたれば | 其切先で一とつきに |
事をすますもやすけれど | 之をば為さず慎みて |
强者の非道、世のそしり | 驕れる人のはづかしめ |
想ふ美人の不深切 | 緩み過ぎたる國の法 |
貴人の無禮又たとひ | いかに善しとも下人の |
輕しめらるゝ、是をこれ | 堪へ忍ぶのは何故ぞ |
重荷を負ひて汗流し | ういめつらいめこらへつゝ |
暮せぬ暮し暮すのも | 亦何故ぞ是はみな |
死後の恐れがあるからちや | 死出の山路の不思議なる |
登りて歸る人ぞなき | 如何なる事のあるやらん |
物すごくこそ思はるれ | たとひ此世に止まりて |
うきかんなんを甞るとも | あの世の事は恐しや |
斯くと心に思ふ故 | たけき心も弱くなり |
如何なる深き大望も | 花を開かず枯れ失せて |
實のなることぞなかりける | 左はさりながらオヒリヤよ |
アヽたをやかな其風情 | そなたは神をいのるなら |
わしが罪障わひてたべ |
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原文: |
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翻訳文: |
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