力学/天秤ばかりと梃子に関して
天秤ばかりと梃子に関して
[編集]力学的な道具の多くが、非常に豊かな源から派生している最初の原理の一つを、一定の実証をもって理解したなら、その本質を知ることは何の困難もなく可能になるはずだ。 まず、スタデラ(stadera)[1]とは、非常によく使われる器具で、様々な品物を、たとえ非常に重くても、俗にローマの錘と呼ばれる小さな分銅の重さで支えて計量するものだが、この作業では、先に述べたことを実践する以外には、何もできないことを証明するものである。したがって、スタジアABを理解するならば、その支え、別称トゥルティン(trutine)は点Cにあり、その外側には重い錘Dが小さな距離CAからぶら下がっており、スタジアの針である他の大きな距離CBの中では、重い錘Dに比べ小さな重量であってもローマEが前後に動いているので、少なからずトゥルティンCから離れることができ、二つの重量DとE間に見られる割合は距離FCとCAの間で同じであろうと思われる。に比例した距離から不均等な錘が交互にぶら下がっていることがわかるので、平衡に達する。
この器具は、現地語で「ヴェット」または「リーヴァ」と呼ばれる[2]、非常に大きな石やその他の錘を小さな力で動かすものと変わりはない。ここで、ふるいには木や他の固い材料でできた棒でBCDと表示され、持ち上げるべき重い錘はAと表示され、ふるい上に置かれ移動する固い支持またはスタンドはEと表示される。そして、B点に見られるように、篩の一端に錘Aをかけ、他端Dに力を加えると、距離BCと距離CDの割合が、B点以上の錘Aの抵抗とDに加わる力が等しくなるようにすれば、錘Aを僅かでも持ち上げることができるのである。したがって、支持体Eが四肢Bに近いほど、距離CBに対する距離DCの割合が大きくなり、Dの力で重量Aを持ち上げることができなくなることが明らかになる。
そして、ここで注意しなければならないのは(これは他のすべての機械式器具に関してもその場で注意されるだろう)、この器具から得られる効用は、低俗な機械工が自分自身を説得するものではなく、ヴェットの介入によって非常に大きな抵抗を小さな力で克服し、ある意味で自然を欺くものであることだ。なぜなら、梃子の長さの助けがなければ、同じ時間内に同じ力で同じ効果が得られたであろうことを示すためである。したがって、Cを支持体とする同じ篩BCDを、距離CDが距離CBの例えば5倍であるとし、篩を部位ICGに達するまで動かし、力が空間DIを通過したとき、錘はBからGに移動したことになり、距離DCが距離CBの5倍であることが示されたので、Bに置かれた錘が、Dに置かれた移動力より5倍大きくなることが示されたことから明らかである。
をDにした。しかし、一方では、BからGに錘が移動する間に、DからIに力が働く経路を考えてみると、同様に、旅程DIは空間BGの5倍であることが分かる。さらに、距離CLを距離CBと等しくして、点LにDにあったのと同じ力を置き、点Bには、先に置いた錘の5分の1だけを置くと、Lの力はBのこの錘と等しくなり、距離LCとCBは等しいので、空間LMを通って移動した前記力は、他の等距離BGを通って錘を自身に移すことができることに疑いの余地はないのであり、この同じ動作を5回繰り返すことで、当該錘の全ての部分を同じ項Gに移行させることができる。しかし、空間MLの繰り返しは、確かに間隔DIを1回、間隔LMの5倍の長さを測ること以上でも以下でもない。 したがって、BからGへの錘の移動は、Lに置かれた場合よりもDに置かれた場合の方が、より弱い力や短い時間、短い移動距離を必要としないのである。要するに、梃子CDの長さから得られる利点は、梃子の利点がなければ、同じ力で、同じ時間に、バラバラとは言わないまでも、同等の動きで動かせなかった重い体の全体を動かせるようになることにほかならないのである。
訳注
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