ニネベのイサアク神秘論文集/第56論文
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第56論文
[編集]<< 魂の中に隠された警戒心をどのように保てばよいのか。 眠気と冷たさがどのようにして心に侵入し、魂から聖なる熱意を追い出し、霊的で天的に望ましいものに向かう神聖な願望を減殺してしまうのか。>>
人間がこの世に近づくにつれ、世俗的なものへの愛が根付き、それらの考えに絶えず悩まされ、それらのために人々と争い、差別なく誰かに愛で結ばれる。
一方、精神がこの世についての微妙な瞑想から利益を得ると、常に比類のない考えが心の中で動き、見えないものを期待してそれらに会いに行き、この世のものを忘れ、時には自分自身を忘れる。なぜなら、考えに完全に没頭し、これらの熟考のために目に見えるものを無視するからです。したがって、これらの考えを気にする限り、熟考も実践も軽蔑される。彼には個人に関係する奴隷的な愛はないが、視覚を必要としない普遍的な愛が彼の魂に定着している。人間の物事に関する記憶の統覚は徐々に彼の心から消え、一方で隠されたものについての考えは彼の中で増大し、力を得て、肉体の熟考を克服し、自然が許す限り、腐敗するものから自由になります。そして、もし彼の中に一般的な[人間の]記憶が喚起されなかったら、絶対になくすことのできない何かの必要性が現れたときに、彼の心はほとんどの場合、将来の物事に向けられ、これらのことから利益を得るような考えによって導かれるでしょう。そして、これらのために、彼はこの世のすべての知恵に対して無知になります。したがって、彼は人間の知恵を調べたために、記憶力を失い、いわば愚か者になります。
これらのことに値するとみなされた人は幸いです。人々が誤りに導かれる原因、なぜ赦しが与えられるのか、それによって普遍的な終わりがもたらされるのか、そしてこれらがどのような労苦と誤りを引き起こすのかを思い出して、パウロが自分自身に向き合うとき、彼の目から涙が止まらないでしょう。パウロについては、彼の魂を支配したこれらの感情のために、3年間涙が止まらず、それを抑えることができなかったと言われています。
涙の感情を伴うこのような熟考は、人が将来の希望を認識し、次にこの世の物事に心を向け、新しい人生で永遠に保たれる希望と比較して精神的な生活がいかに小さいかを考えるときに人間を支配します。このような感受性によって、人はすべての一時的な物事とそれらについての考えに対して死に、体と魂のすべての感情が彼の中で死にます。
愛する皆さん、これを覚えて、できる限りこの世の物事を軽蔑しましょう。そして、徐々に同じ程度に、将来の物事に感情をもって近づきましょう。というのは、もし人が、時々、目の前の物事を完全に無視して、徐々にそれらを捨て、このようにして前進し、これらの物事についての考えと熟考が彼の中で増大するように、自分自身を強いなければ、彼は自分の行動とともにこの肉体にとどまるだろう。また、道を歩く人々も、日々の行進で前進せず、距離を縮めずに一点に留まれば、彼らの前にある道は決して終わらず、彼らは望む場所に決して到達しないだろう。
私たちの場合も彼らの場合と似ている。もし私たちが徐々に自分自身を
一度それらのいずれかに
そして、人が霊的な事柄のためにこれらの(地上の)事柄を完全に軽視しようとするとき、私はこれを不適切だとは考えません。なぜなら、私たちには希望を強く持つように教える聖書の励ましがすべてあるからです。「主は近づいておられる。何も思い煩うな。」と書いてあるとおりです[1]。そしてダビデはこう言っています。「あなたの思い煩いを主にゆだねよ。そうすれば、主はあなたを支えてくださる」[2]。富める者は欠乏し、飢える。しかし主を求める者は、良いものに欠けることはない[3]。そして、主は私たちにこう命じられました。「何事にも心配せず、将来のことをよく考えなさい。そうすれば、自然の必要から必要なこれらの地上のものは、あなたを裏切ることはないでしょう。」
神の恵みにより、神の愛が私たちの中に豊かに注がれ、神を絶えず瞑想することで、世界とそれに属するものを忘れ、その束縛から解放され、多くの束縛の代わりに、神を愛する人々から解かれることのない一つの束縛、すなわち天界の王国の束縛で結ばれ、私たちもその束縛を受け、善の予型にふさわしい者とみなされ、その完全性は、すでにこの世でそれを得た人々のために来世で保存されます。私たちも、そこから生じる力によって、永遠にそれを手に入れ、それに所有されますように。アーメン。
脚注
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