『枕草子』(まくらのそうし)は、平安時代中期に中宮定子に仕えた女房清少納言により執筆されたと伝わる随筆。「虫は」「木の花は」「すさまじきもの」「うつくしきもの」に代表される「ものづくし」の「類聚章段」をはじめ、日常生活や四季の自然を観察した「随想章段」、作者が出仕した中宮定子周辺の宮廷社会を振り返った「回想章段」(日記章段)など多彩な文章から成る。作者の洗練されたセンスと、事物への鋭い観察眼が融合して、『
源氏物語』の心情的な「もののあはれ」に対し、知性的な「をかし」の美世界を現出させ、後世の連歌・俳諧・仮名草子に大きな影響を与えた。
鴨長明の『
方丈記』、
吉田兼好の『
徒然草』と並んで日本三大随筆と称される。—
ウィキペディア日本語版「
枕草子」より。