イイスス答へて曰へり、我が爾を無花果樹の下に見たりと言ひしに因りて、爾信ず、爾此よりも大なる事を見ん。
五一 又彼に謂ふ、我誠に誠に爾等に語ぐ、是より爾等は天開けて、神の使等が人の子の上に陟降するを見ん。
第二章
一第三日に、ガリレヤのカナに婚筵あり、イイススの母も彼處に在りき。
二イイスス及び其門徒も亦婚筵に招かれたり。
三酒の乏しきに因りて、イイススの母之に謂ふ、彼等に酒なし。
四イイスス曰く、婦よ、我と爾と何ぞ與らん、我の時未だ至らず。
五其母諸僕に謂ふ、彼が爾等に命ずる所を行へ。
六彼處にイウデヤ人の潔の例に從ひて、石の水甕六あり、各二三斗を容る。
七イイスス諸僕に謂ふ、甕に水を滿たせ。之に滿たして、幾ど溢る。
八又彼等に謂ふ、今挹みて、司筵者に逓れ。乃逓れり。
九司筵者は酒に變じたる水を嘗めて、(其奚れよりするを知らざりき、唯水を挹みし諸僕之を知れり、)新娶者を呼びて、
一〇彼に謂ふ、凡の人は先づ旨酒を進め、酣なるに及びて、魯酒を進む、爾は旨酒を留めて今に至れり。
一一是くの如くイイスス ガリレヤのカナに於て休徴の始を立てゝ、其光榮を顯せり、其門徒彼を信ぜり。
一二厥後彼親ら、
及び
其母、
其兄弟、
其門