れども、人の衆きに因りて見るを得ざりき、身の長短ければなり。
四 乃趨り前みて、彼を見ん爲に無花果樹に升れり、彼此の旁を過ぎんとすればなり。
五 イイスス此の處に來りし時、仰ぎて、之を見て曰へり、ザクヘイよ、速に下れ、蓋我今日爾の家に寓るべし。
六 彼急ぎ下り、喜びてイイススを接けたり。
七 人皆之を見て、怨みて曰へり、彼往きて罪人の客と爲れり。
八 ザクヘイ立ちて、主に謂へり、主よ、我所有の半を以て、貧しき者に施さん、若し誣ひて人より収りしことあらば、四倍にして之を償はん。
九 イイスス彼に謂へり、今日救は此の家に臨めり、此の人もアウラアムの子なればなり。
一〇 蓋人の子は亡びし者を尋ねて救はん爲に來れり。
一一 彼等が之を聞く時、イイスス又譬を設けたり、蓋彼已にイエルサリムに近づき、彼等は神の國直に顯るべしと意へり。
一二 故に彼曰へり、或貴き人遠き地に往けり、國を受けて歸らん爲なり。
一三 往く時十人の僕を召して、彼等に銀十斤を與へて曰へり、我が歸るまで貿易せよ。
一四 其國民彼を憎みて、後より使を遣して曰へり、我等は斯の人の我等に王たるを欲せず。
一五 彼が
國を
受けて
歸りし
時、
彼の
銀を
與へし
諸僕を
召すことを
命じたり、
各幾何か
利を
獲たるを
知ら