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(裁判長裁判官 香川保一 裁判官 藤島 昭 裁判官 奧野久之 裁判官 中島敏次郎)
上告代理人南出一雄、同松坂清、同青木正芳、同竹田周平、同尾崎陞、同北山六郎、同島田正雄、同関谷信夫、同大塚一男、同竹沢哲夫、同和島岩吉、同原田香留夫、同谷村正太郎、同川坂二郎、同真部勉、同荒木哲也、同古高健司、同上野登子、同岡田忠典、同猪崎武典、同袴田弘、同西口徹、同高橋治、同佐藤唯人、同佐川房子、同増田隆男、同佐藤正明、同犬飼健郎、同阿部泰雄、同岡田正之、同相良勝美、同檜山公夫、同西嶋勝彦、同枝川哲、同林伸豪、同角田由紀子、同大川隆康、同豊川正明、同白井正明、同鶴見祐策の上告理由
第一 はじめに
裁判は、人間社会における人間の営みであり、人間と人間の関係、人間と社会・国家の関係について、人間が“裁き”を行なうことである。
従って、裁判の中には、人間の心が存しなければならない。
しかし、我国においても長い間、国家は個人に対して斬り捨て御免で責任を負わず、個人はただただ忍従を強いられ、行政裁判所は、損害賠償を求める訴を受理さえしなかった。
このような戦前の苦しい経験の反省に立って、憲法一七条が制定され、何人も、公務員の不法行為により損害を受けたときは法律の定めにより、国又は公共団体に対してその賠償を求めることができるとされ、そのため