つて、大國主神のために、りつぱな御殿をお造らせになりました。これが出雲大社の起源であります。
いよいよ、皇孫のお降りになる日がまゐりました。大神は、御孫瓊瓊杵尊をおそば近くにお召しになつて、
豐葦原の千五百秋の瑞穗の國は、是れ吾が子孫の王たるべき地なり。宜しく爾皇孫就きて治せ。さきくませ。寶祚の隆えまさんこと、當に天壤と窮りなかるべし。
と、おごそかに仰せられました。萬世一系の天皇をいただき、天地とともにきはみなく榮えるわが國がらは、これによつて、いよいよ明らかとなりました。大神はまた、八咫鏡に八坂瓊曲玉・天叢雲劍をそへて、尊にお授けになつて、
此れの鏡は、專ら我が御魂として、吾が前を拜くが如、いつきまつれ。
と仰せられました。御代御代の天皇は、この三種の神器を、皇位の御しるしとせられ、特に御鏡は大神として、おまつりになるのであります。
瓊瓊杵尊は、御かどでの御姿もけだかく、大神においと