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附錄

むべし,然れども四則の算法の說明は複雜となる.九(六)(九)を參照せよ.

十(五) 連續的算法,實は連續的函數なり.されども此書に於て函數の語を用ゐるの必要なきにより故らに之を避けたり.但こゝに算法といへる語は之を最廣義に解釋すべし.

(四〇三頁) が必しも有理數の範圍內に於て連續的なるを要せず.一般に分布稠密なる數の範圍內(例へば有限小數の範圍內)に於て連續的なるときは, を擴張して數の全範圍に於て連續的なる算法となすことを得.

「有理數の範圍內に於て連績的なり」といふ語の意義は說明を須ひずして明白ならん.

十(五) の定理は有名なり.例へば Schönflies, Bericht über die Mengenlehre, 1900)を看よ.

十(一) 冪の定義の擴張,其連續的なること等を說くに十(五)(六)を用ゐるときは,大に計算を節約することを得.例へば此章に於て「二項定理」を用ゐず.十(五)(六)に說きたる定理は稍〻複雜なれども,事實は頗る明透にして,證明も亦甚だ困難ならず.冪及對數につきて十(五)(六)の定理の證明を反復すること良好なる練習なるべし.

十一(一) 四一五頁.此處には正數の平方根の中負なるものを採らず. 次の幕根の數 個なることはこゝに說く所と傾向全く異なる事實なり.

十一(二) 冪の一般の定義はアーベル(Abel)コーシー(Cauchy)のなせる如く の連續的なること を基礎として定め得べし

十一(四) ネピール(John Napier, 1550-1617)スコツトランドの人.「ロガリズム」の語を創む.其書千六百十四年を以て世に出でたり.ネピールに先つこと數年瑞西の人ヨ―スト,ビユルギ(Joost Bürgi, 1552-1632)旣に對數を發見せるも,祕して世に示さず.創見の桂冠を失ふ.