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附錄

の存在せざるは より大なるを得ざるなり.

(三四〇頁) を採ること此證明に絕對的必須なるには非ず. を任意に二つの正數の和となし と置き,唯 をして より小ならしむ.さて なる如き有理數 は甲に屬し,又 なる如き有理數 は乙に屬し,而して なり. に代ふるに を以てするは言語短縮の爲なるに過ぎず.此種の論法に慣れざる讀者の爲に,特に之を言ふ.

九(六) 三四八頁. が或數を表せりといふに當り,「…」を以て略せる諸係數は定まれる數なるべきを要すること勿論なり.

九(十)(十一) 比例式よりして數の四則算法を定むる徑行につきては例へばウエーバー氏代數學一の卷序論(H. Weber, Lehrbuch der Algebra 1. 再版 1898)を參照せよ.

十(一) 三八二頁. より成れる の集積點の例はヂニ(上出)より採れり. は集積點にあらざることを證せよ.又 及び の外に集積點なきを證せよ. の諸數を圓に表はせ,集積點の意義明白に理會せらるべし.

十(二) 間隙を順次十分する代に二分するも亦可なり.しかするときは を基數とせる展開によりて與へらる.此論法によりて或數の存在を證明すること,蓋しワイヤストラスに始まる.

十(四) カントル,メレーの無理數論,上文を參照せよ.無理數の定義を最卑近なる方法によりて與へんと欲せば,之を無限小數によりて定めらるゝものとなすべし.無限小數は實にカントルの基本列數の特例なり.かくして無理數の意義を定むるときは其大小の意義は九(七)に於けるが如くにして定