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極限及連續的算法

第十章 極限及連續的算法

集積點,極限,其定義及例○集積點に關する基本の定理○無限列數,極限存在の條件○極限と四則,無理數及其算法の第二の定義○連續的算法の定義,連續的算法の擴張○單調の變動,單調なる算法の轉倒

(一)

一直線上の個々の點に個々の數を對照して,其大小の關係を具體的に表顯すべきことは旣に說きたり.凡て抽象的に數を考ふるに當り,斯の如き幾何學上の形象を連想して大に理解の圓滑を扶くべき場合甚だ多く,此の如き場合に於ては,寧ろ直に幾何學上の思想に因める言語を用ゐるを便利なりとす.但こは主として言語の簡約を目的とするに過ぎず,隨て思想の內容に於て,數に關せる考察と幾何學的の直覺との混同せられざるべきこと,最注意を要す.

先づ此種の用語例二三を說明せん, より大にして より小なる數を總括して,之を より に至る間隙又は なる間隙にある數と云ふ. なる數