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(九)
算法の意義と實際の計算

小,卽ち より小なりと雖, は凡ての場合に於て,必ず の展開を の位まで正しぐ與ふるを保し難きこと是なり.次の一例は此間の消息を傅へて餘あり.

に於て,若 の展開を小數點以下第七位まで採りて之を加ふれば を得,此數と との差は より小なり.然れども其展開の係數の一致するは第三位に止まれり.

一般に の近似値 の與へられたるとき和の近似値 の誤差の範圍は, の精確の程度によりて決定せらるべきものにして,此精確の程度につきて知られたる凡てを利用して,成るべく良好なる和の近似値を定むるこ と,卽ち其誤差の範圍を成るべく正確に定むることは,個々の場合に於ける臨