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（六）

量を計ること及無限小數

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に於ては，上述の手續きは剩餘の存するに限り，何處までも繼續し得らるべしと考ふるを禁ずる能はず．又斯の如くにして順次得來るべき $m_{0},c_{1},c_{2},c_{3}\ldots$ 等の自然數は $A$，$E$ と共に一定すべきを疑はず．卽ち $c_{k}$ は $k$ が稍〻大なるときは實際決定し難しと雖，其決定せられざるを，吾人の感覺の鈍き，或は計測の器械の不全に歸し，若し $c_{k}$ にして決定せられ得なば，$c_{k}$ なる自然數は一定の自然數なるべきを信じて躊躇することなし．$A'$ にして少しにても $A$ と異ならば，$E$ を單位として $A'$ を計るとき，最初は前と同一の數 $m_{0},c_{1},c_{2}\ldots$ を得ることあるべしと雖，竟には例へば ${\frac {E}{10^{k}}}$ の段に於て前の $c_{k}$ と異なる自然數 $c'_{k}$ に達せざるを得ず，隨て單位 $E$ の定まりたる上は，各〻の長さ $A$ より一定せる自然數の引き續き $m_{0},c_{1},c_{2}\ldots$ を得．卽ち $A$ の數値は $(m_{0}.c_{1}c_{2}\cdots c_{k}\cdots )$ なる無限小數によりて與へらるゝものとなす．

如上は，常識ある人士の必ず所觀を一にすべき所なり．さて旣に斯の如くにして各〻量に一定の有限又は無限小數を以て表はさるべき數値あるを認めたる