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(六)
量を計ること及無限小數

等の有限小數(其數には限なけれども)のいづれよりも大なる,而して又

等の有限小數のいづれよりも小なる(唯一個に限り存在し得べき)數を表はせるなり.

(六)

前節の觀察は,無限小數を以て數を表はすといふ事を分析して,之に透徹せる解釋を與へたる者なれども,數の觀念を根本的に會得すべき此好機を充分に利用して遺憾なからしめんが爲に,更に數言を費すの必ずしも無益ならざるべきを信ず.

具象の量,例へば長さを計ることよりして,無限小數の觀念に到達する徑路は甚だ明なり.今 なる直線を與へられたりとし,之を と名づけ,單位 を定めて之を計り,先づ