なる二組の有理數を作るときは R {\displaystyle R} の上限 γ {\displaystyle \gamma } と R ′ {\displaystyle R'} の下限 γ ′ {\displaystyle \gamma '} とは同一なり.此 γ = γ ′ {\displaystyle \gamma =\gamma '} なる數は卽ち
なる展開を與ふべき者なり.
例へば 3.141592 ⋯ {\displaystyle 3.141592\cdots } の如き展開(無限小數)與へられたりとせよ.常識は此記法の或數を表せるを認めて怪まず.然れどもこの記法は其最後に連なれる「…」によりて,桁數の連綿究まる所なきを示せるが故に,有限小數が或數を表はすといふと同じ意義に於ては,上の記法は或數を表はすことなし.然らば則ち此記法の表せるは如何なる數ぞや.上文の觀察は此疑問に明確にして動かすべからざる解釋を與ふ,曰く上の記法は