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八
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量の連續性及無理數の起源
第三,數の全範圍に連續あり.卽ち凡ての數を , の二群に分ち, に屬する數をして凡て に屬する數より大ならしむるときは, に最小の數あるか,或は に最大の數あるか,二者いづれか其一に居らざるを得ず.
吾人は連續の法則を基礎として,次章に於て無理數の性質を闡明せんとす.上文擧ぐる所の原則は,完全に數の觀念を定むるものにして,此意義に於て,實に「數」の定義なりといふべし.第三章に於て整數の諸性質を根本的の原則より演釋せると同一の順序によりて,上述の諸原則より一般の數の諸性質を秩序的に導き出さんことは,蓋し數學に於て論理の嚴密を愛好する讀者の最も趣味あるを覺ゆべき問題なり.然れども吾人は後條に於て唯連續といふことの意義の實質的に確實に了解せられんことを期望するに止まり,卽ち問題の最重要なる一點を解釋して,其他は之を餘裕ある讀者の敷衍に一任せんと欲す.