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量の連續性及無理數の起源

爲に,長さを直線上の點に對照せんとす. なる點に始まりて,限りなく一方に延長せる直線を考へ,或る一定の長さ を採り, を此長さに等しくして, 點を定め,以て なる長さを, なる點に對照す.斯の如くにして個々の長さと此直線上の個々の點とを配合するときは,各の長さは或る定まりたる點によりて表はされ,又各の點は或る定まりたる長さを表はし且つ長さの大小は之を表はせる點の位置の左右によりて定まる.量に連續の性質ありといふは,直線上の點は連續せりといふに異ならず.直線上の點連續せりといふことは,明確にして動かすべからざるの觀ありと雖,さて此連續といへる觀念を分析して,之を最も明白なる言辭に表はさんことは甚だ難し.

直線上に於て,例へば より に移らんとするときは の中間の諸點を盡く通過せざるべからず,此等の點は より に達すべき徑路を組成し,其間何處にも斷絕あることなし.分布の稠密といふことは,畢竟如何なる二點の