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(十一)
小數の四則演算

ことは旣に言へり.此常用の小數記法を用ゐて一般に或數を表はすには係數を同一の文字にて示し,係數の屬する の羃の指數を此文字に附記して,以て此係數のを表はすを便なりとす.例へば

或は之を約めて

と記するが如き是なり.小數點の所在を明示すること却て不便なる場合には,此記法は特に便利なり.括弧は此記法と積の記法とを區別せんが爲に特に用ゐたり.此兩樣の記法の混亂する虞なしと認むべき場合には,括弧をも省略することあるべし.例へば單に と記せるは を表はす, 若し ならば は十の位の係數, 若し ならば は一の位の係數にして,又若し なりとせば 卽ち小數第二位の係數を表はせるものとす.個々の係數が を超えざる正の整數(又は )なることは言ふを須ひず.