此等の定理の證明は二樣の方法によりて成され得べし.其一はこゝに冪の定義となせる (1),(2) の等式は第三章(四)に於て乘法に與へたる定義に酷似せることに着眼して彼處の證明法を摸做するなり.又一は此等の諸定理は指數が正なるとき旣に成立せるが故に (3) 及 (4) を用ゐて指數が 又は負數なる場合をば指數の正なる場合に歸着せしむるなり.今簡單に第一の方法によりて (5) を又第二の方法によりて (6) を證明し,其他は讀者の補充を待たんとす.
(5) の兩等式は負の指數の許せられたる上は,實は同一の事實を表はせるものなること明白なれば,こゝには唯其前なる一つを證明すれば足れり.さて此等式が, の , なる場合に成立すべきことは (3),(2),(4) の最直接なる結果なり. より に移らんに,