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Page:Shinshiki Sanjutsu Kogi 00.djvu/194

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分數に關する整數論的の硏究

分子の最小公倍數 分母の最大公約數
分子の最大公約數 分母の最小公倍數

整數の場合にありては,無限に多くの整數に最大公約數あり得べし,例へば凡ての偶數の最大公約數は なるが如し.然れども無限に多くの分數を與ふるときは,其公約數は必ずしも存在せず,例へば 一般に の如きあらゆる分數を考ふるに,其公約數なるもの有ることなし.上文の說明に於て 等與へられたる分數の數には限りあるべきものと解すること必要なり.

分數の最小公倍數,最大公約數の觀念は其眞髓に於ては整數のそれらと異なることなし,然れども第四章に用ゐたる證明を其儘分數の場合に適用するこ