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整除に關する整數の性質

され得べきによるなり.今之に關する事實を闡明せんが爲に先次の簡短なる定理を證明せんとす.

合成數 は少くとも一個の素數を眞の約數となす.

の眞の約數は皆 より小なるが故に其數に限あり,是故に其中最小なる者必ずあり. の眞の約數の中最小なるものを と名づく,今 の素數なるべきを論じ,以て當面の定理を證せんとす. 若し素數ならずば は( にも又 にもあらざるにより)合成數にして少くとも一個の眞の約數を有す. の眞の約數の一を と名づくれば, より小にして而も又 の眞の約數なり.卽ち よりも小なる眞の約數を有せざるを得ず.而も是 に關する約束に牴觸する事實ならずや.

吾輩は更に進みて

三,凡て合成數は必ず素數因子の積として表はし得べきことを證せんとす. の素數因子の一を と名づけ と置く. 若し素數ならは吾輩の定