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(六)
素數及合成數
なり.凡て整數は必ず少くとも一對の塡補約數を有せり.
塡補約數僅に一對を有するに止まる數,卽ち眞の約數を有せざる數を素數と云ひ,然らざるを合成數と云ふ., は素數にして は合成數なり.
一,整數 と素數 とあるとき, 若し の倍數ならずば と とは相素なり.
其故如何にといふに , の公約數は必ず の約數の中につきて之を索めざるを得ずして, の約數は 及 に限ぎれるが故に, が の最大公約數は ならずば ならざるを得ざるなり.
若し素數 の倍數ならずば, の の倍數なるは が の倍數なるときに限れり.一般に
二, の積素數 の倍數なるときは,因子の中少なくとも一は の倍數ならざるを得ず.
素數ならざる數を合成數と名づけたる所以は其必ず素數因子の積として表は