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か、しやがんでいたか判らないが、〔甲〕を覗き見るようにしており、私が目を覚した時、何も音や声は聞かなかつた。犯人は白い開襟シヤツ、白か国防色か判らないズボンを穿いていた。犯人の横顔と、逃げる時の後姿を見たが、皮のバンドをしており、脛が見受けられ、腕の半分程出ているのを見た。」「その時見た犯人は、この被告人那須に間違いない。警察で面通しで見た時は、現在よりも、もつと同一な様に見受けた。当時から犯人は被告人に間違いないと確信している。面通しで見た時には、被告人が当時見た犯人と全く同じであり、卒倒する様に感じた程であつた。」旨の供述記載

⑶ 被告人の司法警察員に対する第十一回供述調書(昭和二十四年九月三日付)中同人の供述記載、特に「私が八月六日の夜十一時二十分に家に帰つているが、若しそれ以後他の何処かで、私を見た人があれば、それを認める。又、被害者の母が、私であるというのであれば、それも認める。」旨の供述記載、並に被告人の司法警察員に対する第二十一回供述調書(昭和二十四年九月八日附)中同人の供述記載、特に「私はこれまで殺人事件で色々取調をうけているが、私の記憶がない点と証人のことで困つている。裁判の結果無期懲役になろうが何うなろうが裁判長の認定に任せる。控訴する気持はない。」旨の供述記載
⑷ 原審第二十三回公判調書中証人〔丙2〕の「本件発生後満一月目の晩夕食後一応取調べたいと思い、被告人の所へ行くと、被告人は、今晩だけは何聞いてくれるなと言つた。被告人は悲壮な顔をして月を眺め、頭を垂れて、取調べないようにと言つた。」旨の供述記載
⑸ 被告人の当審公廷における「私は弘前市警の鑑識課に血液を提供したことがある」旨の供述、及び原審第一回公判調書中被告人の「示された海軍用開襟白シヤツ(証第三号)は私の物で、本件の発生した八月六日頃も着ていたと思う。又、示され次白ズツク靴(証第二号)は私の物で、本件発生の頃も穿いていたことは間違な