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Page:Sankō sōsyo part5.pdf/6

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此ノ如ク英國憲法ハ深ク其ノ根柢ヲ歷史ニ有スルヲ以テ其ノ外觀ノミヲ見テ以テ是非得失ヲ論スルヲ得ス況ンヤ法理ト實例トハ往々符合セサルコトアルヲヤ且英人ハ一般ニ保守的ノ性質ヲ有シ實利ヲ主トスルヲ以テ實際ニ不便ナラサルトキハ之ヲ法令ニ制定スルコトヲ爲サス故ニ法令ノ制定ハ必要已ムヲ得サルノ場合ニ限ルヲ以テ一度之ヲ制定スルトキハ容易ニ之ヲ變更セス縱令變更スルモ多クハ一部分ヲ改ムルニ止ル諸法典ヲ見ルニ孰レモ新事項ヲ規定スルコト稀ナリ大憲章、權利請願、權利法典皆然ラサルハナシ此ノ性質ハ實ニ英人ノ特有ニシテ歐洲諸國ハ屢〻政治上ノ大革命ヲ經タルモ其風潮ニ犯サルヽコトナク數百年一日ノ如ク十九世紀ノ今日ニ至ルモ不文憲法ヲ以テ能ク其國體ヲ維持シ宇內ノ識者ヲシテ其ノ妙用ヲ感歎セシムル所以ノモノ實ニ此ニ存ス英國ノ制度ハ制度其ノ物ノ善美ナルニアラス其ノ妙ハ運用ニアリ然ルニ其ノ運用ノ妙ヲ見テ直ニ之ヲ其ノ制度ノ然ラシムル所ト爲シ其ノ制度ヲ採用シタリトテモ決シテ其ノ效果ヲ收ムル能ハサルハ歐洲諸國ニ鑒ミレハ明ナリ此ヲ以テ英國憲法政治ノ美妙ヲ知ラント欲セハ深ク之ヲ歷史ニ徵シ廣ク之ヲ實際