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の二点につきいずれもQ型と判定されている。尤も松木明の検察官に対する昭和四八年七月二七日付第一回供述調書の記載によれば、D、Eの二点については前記鑑定において顕著な血液反応があつたと判定されているが、人血反応試験および血液型検査を実施しなかつたことが認められる。また原一審証人松木明の供述記載によれば、左上ポケツト表Gおよび裏Hの各斑痕については陽性の血液反応はみられなかつたが、本件白シヤツの前面全体にわたる各斑痕は、はつきり血痕に類するもので、色彩形状等からおよそ同時期に附着したものと認められる旨供述している。

(ハ) F点につき、前記三木鑑定において「豌豆大の赤褐色」の色調を呈し、Q型であると判定されている。
(ニ) I、J、Kの三点につき、前記古畑鑑定において、E型でありまたMN式血液型検査においてM型と判定されている。なおL点は対照として使用されたことが窺われる。そして右鑑定においてさらに原一審で領置された犯行現場における被害者の血液が流出附着した畳表の血痕と右I、J、Kの斑痕を比較対照し、両者は共に赤褐色を呈し、「血痕の溶解度も殆んど同様抗原性がよく保たれている」とし、半年以上二年以内の附着時期を推定している。
3 ところで、被害者の血液型については前記畳表或は畳床藁の血痕を検査対象として、前記〔丙3〕・平嶋鑑定によれば、B型、M型、前記三木鑑定によればQ型、前記古畑鑑定によれば、B型、M型、E型とそれぞれ判定されたことが認められ、また原一審証人松木明の供述記載によれば、同人においても畳床藁附着の血痕を検査しB型、M型、Q型の判定結果をえていることが認められる。