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Page:Onishihakushizenshu04.djvu/550

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の間に言ひ現はすことを得ず、畢竟ずるに、其の種々の感覺の時空に共在し又前後するは唯だ其の時空の處に於いてしかあり、又或個人に對してしかありきといふに止まり、遍通的又客觀的なる關係を成すものとしては認識すること能はず、一言に云へば、個人の觀念の相聯續する心理上の關係を云ふに止まる。之れを要するに、感官的知覺上の關係に止まり居る間はヒュームの立脚地以外に一步も出づること能はざるなり、而して若し其の立脚地以外に出でて、眞に客觀的効力を有する吾人の知識を成り立たしめ、時空に於ける感覺の共在及び聯續をして更に客觀的規律に從へる事物たらしめむにはヒュームが謂はゆる聯想律の如き心理的法則とは全く其の性質を異にしたる知識論上の立脚地より見て知識を成り立たしむる先天的條件とせらるべき統一作作用卽ち悟性の與ふる槪念の効力を謂はざるべからず。此等悟性の槪念を用ゐることに於いて始めて經驗上の判定を成すべし。

されば空間に於ける關係は唯だ悟性の與ふる統一的規律によりて眞に客觀的又遍通的なる効力を有すものとなり得べきものなれども、個人の經驗的意識は此の統一的作用をば寧ろ旣に成れるものとして發見す、換言すれば、悟性の根本的統