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Page:Onishihakushizenshu04.djvu/478

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ヤックの兄、一七〇九―一七八五)等あり、其の他革命の哲理を論述したる者にはサン、ラムベール(St. Lambert 一六一六―一八〇三)コンドルセー(Condorcet 一七四三―一七九四)及びヺルネー(Volney 一七五七―一八二〇)等ありき。


第四十六章 獨逸に於ける啓蒙思潮

《科學的硏究の結果の通俗化及び普及。》〔一〕ロックが其の心理說を唱へしより第十八世紀に至るまで當時の學者は專ら其の眼を人間の硏究といふことに置きたり、故に當時哲學の題目となりしものは(ロックの著書及びロック以後の學者の著述の標題を見ても知らるゝ如く)人心の硏究といふことにして而してこれが當時の啓蒙的思潮の一大方面を成したりしが、其の思潮に尙ほ他より加はり來たれる要素は其の頃に至るまでに大なる進步を遂げたる科學的硏究の結果を通俗にして之れを一般に普及せしめむとしたること是れなり。過去に於いて此の時勢と最も能く相比すべきは古代希臘に在りてソフィスト及びソークラテースの出でたる時代なり、其の後に至りてはルネサンス(學藝復興)時代亦之れと相類似せる所あれど、特にソフィスト等の時代に於