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Page:Onishihakushizenshu04.djvu/440

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合せるものあり、之れを有機的分子と名づく、而して此等の分子は機械的法則の下に在りて外界に應接して一切の有機體を形づくるものにして此の有機的分子は一切の生物の原質とも名づくべきものなりと。此の臆說は要するに物質の機械的作用により如何にして生物の形づくらるゝかを考へ易からしめむがためのものに外ならず。

《ロビネーの感覺說。》〔二二〕ビュフォンが有機的分子の說は已にスピノーザの說ける所に胚胎し居るのみならず、彼れが其の他に說ける所にして亦スピノーザの影響を受けたることを示すものあり。彼れが此の有機的分子の臆說に類似したるは


ロビネー(Robinnet 一七三五―一八二〇)

がレーウエンフック(Leeuwenhoek)の唱へたる種子的動物を以て尙ほ更に原始なるものとせらるべき種子の集合して成したるものと見たる說なり。ボネーは生物の種子一として滅するものなく凡べての物皆連續したる段階を形づくるといへることに於いてライブニッツの影響を示したるが、ロビネーは更に彼れにも優りて