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に說明する所以の途にあらずとなし、寧ろ吾人の直接に承認せざるべからざる究竟事實ありといふことに眼を向けたる輩あり。此の反抗運動を代表したる者是れ即ち所謂蘇格蘭學派也。(或は之れを常識學派ともいふ。)畢竟此の學派はヒュームの心理的分析に對して吾人が各自我が心を省みれば承認せざるべからざる、而して更に分析すべからざる若干の直接の事實ありとしたるものなり。此の派の泰斗と稱せらるゝを
トマス、リード(Thomas Reid 一七一〇―一七九六)
とす。彼れはアバーディン及びグラスゴーの敎授にして其の師ヂョージ、タルンブル(George Turnbull 一六九八―一七四八)に負へる所あり。其の著述に『人間の知識に關する論文』("Essays on the Intellectual Powers of Man" 一七八五出版)及び『人間の動作力に關する論文』("Essays on the Active Powers of Man" 一七八八出版)あり、此の二書は後に合して "Essays on the Power of Human Mind" の表題を以て屢〻改版せられたり。リードの外此の派に屬したる學者と見らるべき人々にはヂェームス、オスワルド