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Page:Onishihakushizenshu04.djvu/398

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一七九四―一七九六出版)なり。)によりて生物學上の思想に結び附けられたり。彼れが動物の本能を說明するや之れを以て動物が自衞の性に從ひ四圍の境遇に順應することの經驗を基礎となし、聯想作用によりて成り上がれるものとし、尙ほまた斯く外界に接する經驗によりて得たる性質を其の子孫に遺傳することを唱へたり。かくの如く動物が外界の境遇に接することの結果として種々の性質を得而して其の性質が子孫に遺傳せらるゝことを說きたる點に於いてエラスマス、ダーヰンは後の進化說の爲めに其の道を開ける所あり。


第四十四章 蘇格蘭學派

《蘇格蘭學派、此の派の著名なる學者、トマス、リード、ビーティー、ブラオン等。》〔一〕上來叙述せる所によりて知らるゝ如く英國の經驗哲學が心理說に於いて又知識論に於いて其の分析を進め吾人の觀念の生起を說明せむとせる進行の頂點はヒュームなり。彼れに至りて凡べての哲學上及び宗敎上の觀念が劈裂鎔解せられたりといふも不可なし、而して此の極點に達したることに對して自然に反抗を生じ來たり、かく諸觀念を分析することを以て吾人の心證する事實を如實