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strative knowledge)といふ。盖し論證的知識とは二箇の觀念を比較して直ちに其の合不合を認むること能はざれども其の間に挾むに他の觀念を以てし而して其の媒介によりて件の二觀念の合不合を見定むるの謂ひ也。此の論證的知識が確實のものたらむには如何に多くの觀念の媒介を揷入すとも其の一步々々が各〻直覺的に明らかなるものならざるべからず。例へば甲と丁とを直接に比較し其の相合ふことを直覺して甲は丁なりと云ひ若しくは其の相合はざることを直覺して甲は丁ならずといふは直覺的智識なるが、それが斯く直覺的に明らかならずとも尙ほ論證によりて明らかにならむには乙丙を揷みて甲と乙との相合ふことを認め、又乙と丙と及び丙と丁との相合ふことを認めざるべからず、而して甲と乙との和合ひ乙と丙と丁との相合ふことが各〻直覺的に明らかなるによりて其の論證は始めて確實なるものと云はるべし。故に確實なる論證は直覺的知識を連續せしめたるものといふも不可なし。唯だ論證によりて始めて得る知識は其の直ちに明らかなるに非ず且つ多くの思想を其の間に挾むを要して其の複雜なる思想作用の中に過誤を生じ易きことに於いて直覺的知識と區別せらるゝを得。斯くして