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cognoscitiva)と意欲の能力(facultas appetitiva)との二あり(是れライブニッツの所說に由來せるもの)而して哲學には此の二者の各〻に關係する部分即ち二部門あり。一は理論的方面にして純粹に吾人が知識の能力に屬するもの、之れを稱してメタフィジカ(理體學)といふ。次ぎに意欲の能力に關係するものは吾人の行爲を論ずるものにして之れを實踐哲學(philosophia practica)といふ。而して件の哲學の二部門に人る準備として論理學(logica)の一科あり、是れ哲學的硏究に於いて其れが理體學たると實踐哲學たるとを問はず常に吾人の從ふべき思想全體の成立及び運用の方法を論ずるものなり。理體學を分かちて總論及び各論とす。總論は實在其の物に就きて全體の硏究を爲すもの、換言すれば、實在が如何なる特殊の形を取れるに拘らず一切實在と云はるべきものに通ずる事相を論ずるものにして之れを實體學(ontologia)といふ。而して各論は更に三部分に區別せらる。第一は世界の成立を硏究するものにして之れをコスモロギア(cosmologia)といひ、第二は心に關する硏究にして之れを心理學(psychologia)と云ひ(心理學に對して云へばコスモロギアは廣義にての物理學と謂ふべきもの也)而して第三は心界及び物界の全體の原因なる