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Page:Onishihakushizenshu04.djvu/106

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ち地球を形づくる物質なり、遊星亦此の種の物質を以て成る、第二は甚だ小さき球形を成せる物體にして是れ即ち空氣の元素なり。第三は最も細微にして殆んど個々の部分を爲さずして全く相聯續するもの、是れ即ち火氣の元素にして太陽及び恒星は之れを以て成る。

斯くの如き種類の物質は畢竟廣袤の種々に區劃されたるものが種々の運動を取れるに外ならず。されど眞空は存在せざるものなれば其等物體の運動せむには唯だ一部分のみ運動すること能はず、其の動くや必ず循環運動を爲す。例へばイが動きてロに行かむにはロは動きてハに行き、ハは動きてニに行き、ニは動きてイに行き、斯くして循環運動を爲さざる可からず、即ち其等の悉くが同時に一回轉することによりて其の運動は出來得るなり。遊星が太陽の周圍を回るも畢竟遊星を圍繞する最も精微なる物質が循環運動(換言せば渦旋運動)を爲せばなり。又かくの如き渦旋運動の故を以て凡べて物體は一中心に向かひて墜下す、猶ほ水の渦を捲くや水上に浮かべる物體が一中心に集まるが如し。一物體の他物體に影響せむには必ず運動して相觸れざるべからず、空隙を隔てゝ一物體の他物體に影響せ