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べからず、有は唯だ有にして都べて同一不異なり、故に又有は變ずるものにあらず動くものにあらず、平等の自體を保ちて常に靜なり。又思想も有と別なるものにあらず、そは思想さるゝ事柄は有ならざる可からず有ならずば思想さる可からざれば也、即ち思想あらばそは有の思想なり、思想に入りて思想を成すものは有の外にある可からず。故に思想と有とは
《有は全く形而上のものにあらず。》〔四〕以上述ぶる所を見ればパルメニデースに至りて抽象的思想の著るく進
べからず、有は唯だ有にして都べて同一不異なり、故に又有は變ずるものにあらず動くものにあらず、平等の自體を保ちて常に靜なり。又思想も有と別なるものにあらず、そは思想さるゝ事柄は有ならざる可からず有ならずば思想さる可からざれば也、即ち思想あらばそは有の思想なり、思想に入りて思想を成すものは有の外にある可からず。故に思想と有とは
《有は全く形而上のものにあらず。》〔四〕以上述ぶる所を見ればパルメニデースに至りて抽象的思想の著るく進