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して曾てありしもの又將にあらむとするものに非ず唯だ恒に今ある者、その存在にはつねの今あるのみ、何となれば曾てありしものはあるものに非ず、將に あらむとするものも亦あるものにあらざれば也。即ち有には過去なく將來なく唯だ無始無終の現在あるのみ。されば又有は生じたるものにあらず、もし生じたる者とせば之れを生ぜしめたる者なかるべからず而してそは有ならざるべからず、非有が有を生ずべき理なければ也、即ち有そのものには生起の始を見出だす可からざる也。又有は滅するものにあらず、滅すとはその非有となることなれば也、有は有にして非有にあらず。故に有には生滅なし。次ぎに又有は分割され得るものにあらず何となれば若し彼れと此れとの中間に立ちて之れを分かつものあらばそのもの亦有ならざる可からざれば也、有ならぬものが有と有との間に入りて之れを分かつべきにあらず。故に有は不可割、不斷絕のもの也、個々の相別かれ相離れたるものを以て成らず唯一不二のもの也。又有は平等一如にして此處より彼處に、彼處より此處に多く又は少なくありと云ふべきものに非ず、有りと云ふ事の外に物をして有らしむるものなく而して此の有りてふ事に多少又厚薄の差別ある