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でて後ち常に空氣を呼吸するによりて得るところ也。靈魂は血液と共に脈管內にめぐる、こゝを以て全身體に活氣あり。感覺思想の座は頭腦中の靈魂にあり。外物の印象が此の靈魂に觸るゝによりて感覺を生ず。快樂、苦痛、健康、疾病等は皆空氣が血液に混和するの割合に懸かる。ディオゲネースが脈管に就いて說ける所當時にありては頗る見るべきもの也。
予輩は今こゝに上陳せる如き折哀說を以て終はりたる希臘哲學の第一期なる物界硏究時代の大勢を叙述すべし。
物界硏究時代の希臘哲學の大勢
《第一期の希臘哲學の主眼は物界の硏究にあり、附、デーモクリトスの希臘哲學史上の位置。》〔四〕第一期の希臘哲學はタレース以降アナクサゴーラス、アトム論者等に至るまで都べて其の主眼とする所は物理的硏究にあり、客觀なる天地萬物を以て其の攷究の對境となせり。ミレートス學派はいふも更なり、エレア學派及びヘーラクライトスも其の硏究の問題とせし所は客觀の境界として存する天地萬物の眞相を看取せむとするにありき。パルメニデースが所謂有も廣袤を有するものな