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椿の花󠄁挿して、
ぬくとい
垣根に
そつてつた。
ついぢに
あの子が
ひとり
まつてゐる。
すてられたキング
雪󠄁のふる夜にすてられて、
加留多のキングは窓の下。
――あゝ ありや何ぢや いゝ匂、
ジヤツクよ、プデイングもつて來い。
けれど ジヤツクは來なかつた。
――あゝ これ 耳がちぎれそう、
クヰンよ、マフラーをもつて
けれど クヰンも來なかつた。
加留多のキングはすてられて、
雪󠄁にうもれて消󠄁えました。
あけて明󠄁るい雪󠄁の朝󠄁、
鶫が一羽鳴きました。