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北千島アイノ硏究の事は本邦學者の外人に先んじて之に當るべき義務ある者にあらずや、然るに諸家未た曾て此に出でず是れ學者の深く遺憾とする所なり、余や曾てアイノ人に就きて少しく硏究する所あり故を以て此恨を抱くこと[1]特に深し、今人類學者鳥居龍藏氏大學の命を帶びて北千島に航し親しく諸般の調査を遂げ其の得たる所の成績を編みて一書となし之を世に公にせらる、鳥居氏は誠に本邦學者の義務を盡したる者と謂ふべし、余其擧を聞きて喜に堪へず爲めに一言を卷首に顯す、
明治三十六年五月十五日 醫學博士 小金井良精
序
「アイヌ人ハ其住地ノ如ク世界人種中ノ孤鳥ト見做スヘシ」トハ小金井博士カアイヌ」硏究ノ著書ニ於テ記サレタル所ナリ而テ千島土人ニ至テハ他ノ民種ト隔離スルヿ更ニ甚ク從テ風俗習慣等ノ諸項ニ於テ特異ナル者カルヘキハ豫想サルヽ所ナレトモ今日マテ世ニ其詳細ヲ傳フル者少キハ學問上一大恨
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