Page:NDL1142084 南支南洋研究調査報告書 第4輯 part1.pdf/51

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九〇〔6〕聲調『拉廣』は前述の如く聲を表示しないが、この案によると、計十二の聲調を認め、次の如き表示法を定めてゐる。高平高上高去低平低上□□□/高入中入低入廣東語には、九聲あり。更に變調二、輕調一、合低去□正調高入□1入低入□超平□十變上變調輕調□『拉廣』と『黃氏方案』の比較〔1〕母音についての比較イ、『拉廣』の單母音は六種、ある。口、『拉廣』には、-輕調複母音は十一種、『黄氏方案』(以下『方案』と簡稱す)は單母音十種、複母音十種で口、aとoの長母音と短母音の差異を設けない。この結果「特別詞」なるものを出來させた。『方案』中の『方案』中の〔〓〕〕卽ちcoは『拉廣』では(oe)なる複母音である。此は『拉廣』が正しい。二、『拉廣』中の·aとccの別は、『方案』ではatとaになつてゐる。これは『拉廣』に於けるe)よりして『方(案』が正しい。ホ、『拉廣』は〔ey〕は〔oey〕の如く讀むを要求する。『方案』は萬國音標文字をはなれeueとしてゐるのは『方案』の方が統一がとれてゐる。ヘ、從つて『拉廣』のyと『方案』のyに關しては根本的な差異がある。(兩者のyに關しては夫々のyの部を見よ)ト、『方案』に於いては、獨立せぬa e-〓を一つの母音としてゐるが、『拉廣』に於いては、獨立せぬ母音は之を他母音と結合させて複合母音として了つてゐる。鼻母音についての比較イ、『拉廣』の鼻音はm nqで表はす。『方案』はm ngで表はす。卽ち異るのはqgである。ロ、『拉廣』の鼻母音の數は十七、『方案』は十九種である。『方案』中のm mgが『拉廣』中に入つてゐない。促母音についての比較イ、『拉廣』の入聲音は、bd gで表はす。『方案』はptkで表はしてゐる。口、『拉廣』の促母音の數は十七、『方案』も十七、一致する。子音に就いての比較卽ちcoは『拉廣』ではなる複母音である。此は『拉廣』が正しい。二、これは『拉廣』に於けるe) (よりして『方ホ、『拉廣』ははの如く讀むを要求する。『方案』は萬國音標文字をはなれeueとしてゐるのは『方案』ヘ、『拉廣』に於いては、獨立せぬ母音は之〔2〕〔3〕〔4〕九