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階級の智力的發展に信賴してゐたのであつた。資󠄄本に對する戰鬪の事實、およびその戰況の變遷は、殊に敗戰の場合においては勝󠄃利の場合よりも甚だしく、種々なる家傳祕法の不十分が感知され、從つてまた、勞働階級解放の眞󠄃正の條件について、一そう深奧なる見解に到達󠄃させないではおかないはずである。マルクスの見るところはまさに當つてゐた。一八七四年、『インタナショナル』が解散した時、それを創立當時の一八六四年に比べると、勞働者󠄃はまるで別人のやうになつてゐた。フランスのプルードン派󠄄、ドイツのラサール派󠄄はみな既󠄃に死滅に瀕し、保守的なイギリスの勞働組合も(その大部分は疾くにインタナショナルと分離してはゐたが)、なほよく漸次󠄄にその步みを進󠄃め、去年スワンシーでその會長が、組合の名において、『大陸の社󠄃會主義ももはや我々に恐怖を感ぜしめぬ』といつたほどになつて來た。すなはち實際上、『宣言』の趣旨は著󠄃るしく各國勞働者󠄃の間に侵󠄃入してゐたのであつた。