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いたきまでいひきかせて「御名は今は草のいほりとなむつけたる」とて急ぎたち給ひぬれば「いとわろき名の末まであらむこそ口惜しかるべけれ」といふ程に、修理亮のりみつ「いみじきよろこび申しに、うへにやとて參りたりつる」といへば「なぞつかさめしありとも聞えぬに、何になり給へるぞ」といへば「いでまことにうれしき事のよべ侍りしを、心もとなく思ひ明してなむ。かばかりめんぼくある事なかりき」とてはじめありける事ども中將の語りつるおなじ事どもをいひて、「このかへりごとにしたがひてさる物ありとだに思はじと頭中將のたまひしに、たゞに來りしはなかなかよかりき。もてきたりしたびはいかならむと胸つぶれて、まことにわろからむはせうとのためもわろかるべしと思ひしに、なのめにだにあらず、そこらの人の譽め感じて、せうとこそ聞けとの給ひしかば、した心にはいとうれしけれど、さやうのかたにはさらにえ侍ふまじき身になむはべると申しゝかば、ことくはへ聞さ知れとにはあらず、唯人に語れとてきかするぞとのたまひしなむ、すこしくちをしき。せうとのおぼえに侍りしかど、これがもとつけ心みるに、いふべきやうなし。殊に又、これが返しをやすべきなどいひ合せ、わろきこといひてはなかなかねたかるべし」とて夜中までなむおはせし。これは身のためにも人のためにもさていみじきよろこびにははべらずや。司めしに少將のつかさ得て侍らむはなにとも思ふまじくなむ」といへば、げにあまたしてさる事あらむとも知らで、ねたくもありけるかな。これになむ胸つぶれて覺ゆる。このいもうとせうとゝいふことをばうへまで皆しろしめし、殿上にもつかさ名をばいはでせうとゝぞつけたる。物