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多くものし給ふらむいかですぐし給ふべき」などぞあいなのさかしらやなどぞ侍るめる。
繪合
前の齋宮の御まゐりのこと中宮の御心に入れて催し聞え給ふ。こまかなる御とぶらひまでとり立てたる御後見もなしとおぼしやれど、大殿は院にも聞しめさむことを憚り給ひて二條院に渡し奉らむことをもこのたびはおぼしとまりて唯しらず顏にもてなし給へれど、大方の事どもはとりもちて親めき聞え給ふ。院はいと口惜しくおぼしめせど、人わろければ御せうそこなど絕えにたるを、その日になりてえならぬ御よそひども御櫛の箱うちみだりの箱かうごの箱どもよのつねならずくさぐさの御たき物どもくぬえかうまたなきさまに百ぶのほかを多く過ぎ匂ふまで心ことにとゝのへさせ給へり。おとゞ見給ひもせむにとかねてよりやおぼし設けゝむ、いとわざとがましかめり。殿も渡り給へるほどにてかくなむと女別當御覽ぜさす。唯御櫛の箱の片つ方を見給ふに、つきせずこまかになまめきてめづらしきさまなり。さしぐしの箱のこゝろばに、
わかれぢに添へしをぐしをかごとにてはるけき中と神やいさめし」。おとゞこれを御覽じつけておぼしめぐらすに、いとかたじけなくいとほしくて我が御心ならひのあやにくなる身をつみてかのくだり給ひしほど御心におもほしけむこと、かう年經て歸り給ひてその